【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):リコー、LINE、三菱UFJ
リコー <日足> 「株探」多機能チャートより
リコー <7752> が4日ぶりに反発。4日、関東財務局に提出された大量保有報告書によると、旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントの同社株保有率が11.54%→12.04%に増加したことがわかった。保有目的は「純投資」としているが、エフィッシモは株主還元の強化など経営改革を求める「物言う株主」として知られるおり、追加取得による思惑買いが向かった。
■LINE <3938> 4,970円 +90 円 (+1.8%) 本日終値
LINE<3938>が反発。同社とヤフー<4689>がスマートフォンを使用した電子決済サービスでゆうちょ銀行<7182>の口座連携を始めると各メディアを通じて伝わっており、株価を刺激した格好。LINEは月内にもヤフーは17年1月に、それぞれの電子マネーにゆうちょ銀の口座からチャージできるようにする計画が報じられており、これによる業容拡大効果を期待した買いを誘っている。ヤフーもやや買いが先行している。
■良品計画 <7453> 21,880円 +390 円 (+1.8%) 本日終値
良品計画<7453>が3日続伸。個人消費に停滞ムードが漂うなかで生活雑貨などを中心に収益を伸ばしており。海外では中国などアジアで消費者の需要をとらえている。きょう取引時間終了後に16年3~8月期の決算を発表する見通しにあるが、3~5月期に営業利益段階で前年同期比19.6%増の114億2300万円を達成、上期見通しの175億円に対して進捗率は65.3%と高いことから、増額期待が買いを誘導している。
■三菱UFJ <8306> 522.9円 +6.3 円 (+1.2%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>をはじめメガバンクがいずれも続伸、地銀株も軒並み上昇するなど銀行セクターへの買いが厚くなってきた。日銀は新たな金融緩和の枠組みである「イールドカーブ・コントロール」を導入、10年債のゼロ%誘導による長短利ザヤで銀行への収益機会が期待されている。9月21日の金融政策決定会合後に長期金利はいったん低下基調となりマーケットの疑心暗鬼を生んでいたが、長期金利はマイナス0.1%に達する直前で反転し、日銀の誘導目標の下限を確認したとの認識が広がった。足もとは上昇傾向にあることから銀行セクターにとっては風向きの変化が意識されている。
■日揮 <1963> 1,752円 +17 円 (+1.0%) 本日終値
日揮<1963>は堅調。同社はこの日、サウジアラビア法人のJGCガルフ・インターナショナル社を通じて、バーレーンのBahrain National Gas Expansion Company(S.P.C.)がアワリ地区で計画しているガスパイプライン/ガス貯蔵タンク建設プロジェクトを受注したことを発表した。今回受注したプロジェクトは、今年1月に同社がBahrain National Gas Expansion Company(S.P.C.)から受注したガス処理プラントの原料ガスおよび生産される石油成分(LPG、ナフサ)を搬送するパイプラインと同製品の貯蔵タンクを建設するもの。受注金額は約100億円。
■乃村工藝社 <9716> 1,575円 +6 円 (+0.4%) 本日終値
4日、乃村工芸社 <9716> が16年8月上期の連結経常利益を従来予想の28億円→34.7億円に23.9%上方修正。増益率が0.9%増→25.1%増に拡大し、9期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。複合商業施設の空間演出やホテル改装工事など売上が堅調に推移する中、採算重視の受注や原価低減に取り組んだことが利益を押し上げた。上期業績の上振れに伴い、通期の連結経常利益も従来予想の66.5億円→71億円に6.8%上方修正。増益率が7.3%増→14.5%増に拡大し、従来の4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。
■アダストリア <2685> 2,558円 +4 円 (+0.2%) 本日終値
アダストリア<2685>に再評価余地が指摘されている。岩井コスモ証券は4日、同社株の投資判断の「B+」を継続した。目標株価は3000円(従来4500円)としている。同社は10代後半から30代を主要顧客とするカジュアル衣料専門店をチェーン展開している。個人の嗜好が多様化するなか、マルチブランド戦略の深化と進化で中期的な収益拡大を予想。第2四半期(6~8月)は既存店売上高が低迷したが、原価低減などで業績は底堅く推移。17年2月通期では連結営業利益は前期比6%増の170億円と増益が見込まれており、18年2月期の同利益は175億円と連続増益を予想している。
■三協立山 <5932> 1,544円 -127 円 (-7.6%) 本日終値 東証1部 下落率2位
三協立山<5932>が急落。同社はきょう午後1時に、17年5月期第1四半期(6~8月)の連結決算を発表。営業利益は7億1300万円(前年同期比4.7倍)となったが、上半期計画45億円に対する進捗率は15.8%にとどまった。売上高は747億3400万円(同5.7%減)で着地。主力の建材事業は競争激化や非木造建築物の着工が低水準で推移していることが影響し減収となった一方、費用の減少やアルミ地金価格が前年同期に比べて低い水準となったことを背景に増益を確保した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画で据え置いている。
株探ニュース