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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「日米ともチャートが陰転」

株式評論家 富田隆弥

◆さて、マーケットが注目する重要イベント、21日の日銀金融決定会合とFOMCが迫ってきた。日銀はこれまでの政策効果を検証し、新たにどのような方針を打ち出すのか、そしてFOMCはここで利上げに動くのかが注目されている。ただし、イベントを前に日米とも株価は荒れ模様で、チャートは「陰転」を示唆した。

NYダウはイベントを前に乱高下。FRB理事の発言や、出てくる経済指標を背景に、利上げ観測が強まれば下げ、利上げ観測が遠のけば上昇という荒い展開になっている。乱高下しながら利上げを織り込むなら「いいとこ取り」のイエレン・マジック継続で、FOMC後に再び上伸することも可能だろう。だが、日足チャートは14日に1万7992ドルまで下げ、8月2日安値1万8247ドルを割り込み、ダブルトップ(or三尊天井)を確定させた。最高値圏での陰転だけに慎重を期する必要があろう。日足好転には少なくとも「1万8600ドル」クリアが必要で、それを果たすまで「戻り売り」の展開が続くことが想定される。

日経平均株価は6月24日安値から引いた下値抵抗線や25日移動平均線を割り込み、15日に1万6359円まで下げ75日線にタッチしてきた。9月5日高値の1万7156円から日足は9本を経過、RCIや騰落レシオなどのテクニカル指標も安値圏に来ており、そろそろ切り返すことも想定されるが、波動好転には少なくとも1万7000円以上が必要だ。黒田サプライズを発揮するなら好転も可能だが、「マイナス金利深掘り、長短金利差拡大」などの方針が事前にリークされたことでサプライズは期待しにくく、逆に21日のあと「材料出尽くし、失望」となるリスクが否めない。

為替(ドル円)は75日線に頭を叩かれ、102円台でもたついている。為替の基調好転には75日線103.50円以上が必要で、それを果たすなら円安が加速する可能性がある。だが、前回もそうだったように「日銀会合のあとは円高」となるケースが目につくことから、75日線突破を確認するまで円安への期待は抱きづらい。

◆ボラティリティ拡大により注目イベントのあと大きく動くことが想定される。日本はお彼岸(祝日)や9月配当取りのタイミングも重なるが、「買い」は日足の好転確認まで急ぐことはないだろう。

(9月15日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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