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2016年08月22日19時10分

【特集】有沢正一氏【9月相場、「ETF買いと円高」天秤の行方】(2) <相場観特集>

有沢正一氏(岩井コスモ証券 投資調査部副部長)

 週明け22日の東京株式市場は堅調に推移したが、勢いは今ひとつ。薄商いのなか、日経平均株価は1万6000円台で方向を決めあぐねている状況だ。下値では日銀のETF買いに対する期待があるものの、米利上げ時期を巡る思惑が錯綜するなか1ドル=100円近辺にある為替動向が気がかり。カウントダウンとみられた上値1万7000円突破がいまだ実現しないまま、夏枯れ相場といわれた8月も終盤に差しかかっている。秋口に向けた相場の地合いをどうみるか、第一線で活躍する市場関係者に意見を聞いた。

●「個別主導の下値切り上げトレンドへ」

有沢正一氏(岩井コスモ証券 投資調査部副部長)

 経済対策の全容が明らかになり、日銀の政策会合も通過、そして四半期決算発表シーズンが終わったことで、市場を大きく動かすような目先の材料は見当たらなくなった。

 ただ、四半期決算を受けて業績の先行きに対する極端な悲観や不透明感は後退しており、好業績を手掛かりとした個別物色が徐々に活発化してきそうだ。買い入れ枠が拡大された日銀のETF買いも主力株の下値を支える存在として市場に安心感をもたらすことになる。1ドル=100円前後で推移している円相場の動向が引き続き気になるところではあるが、当面は個別レベルでの出遅れ修正が、市場全体の下値切り上げトレンドにつながっていくのではないだろうか。

 主要3指数がおよそ16年ぶりにそろって史上最高値を更新するなど米国株の力強い上昇が、世界の金融市場にリスクを取りやすい雰囲気を醸し出している。26日にジャクソンホール会合で行われるイエレンFRB議長の講演が、当面の米国金融政策の先行きを探る意味で注目される。利上げを急がない姿勢が再認識されれば、上昇に弾みが付く可能性もありそうだ。

(聞き手・加藤智)

<プロフィール>(ありさわ・しょういち)
1981年大阪府立大学経済学部卒業。89年岩井証券入社、株式部、調査部などの勤務を経て、2003年イワイ・リサーチセンターセンター長。2012年5月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。

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