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【経済】中国:核燃料サイクル建設に反対、江蘇省連雲港で市民1000人デモ


江蘇省北部の連雲港市で、原子力発電所の使用済み燃料を処理する核燃料サイクル工
場建設に対する反対運動が起きている。6日から7日早朝にかけ住民約1000人がデモ活
動を展開したという。香港星島日報や米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が
伝えた。
中国のネット上では、「1000億人民元(1兆5300億円)を投じ、使用済み燃料を処
理する工場が連雲港に建設される」との情報が流れている。運転開始後の事故を懸念
し、住民の間で不安が拡散。住民らは6日午後5時ごろから同市の主要街路で「核廃棄
物に反対」などと叫んでデモを始めた。「人口密集地に核燃料処理工場をつくれば、
子々孫々まで核の脅威にさらされる」と危ぐしている。
一方、同市政府は7日午後6時、記者会見し「工場建設は建設用地選定の段階で、
最終決定していない」などと説明した。
核燃料サイクル工場は、中仏間で最大規模の合弁事業の1つ。両国政府が強く後押
ししている。原発事業を行う中国核工業集団の子会社、中核瑞能科技が2015年から山
東、福建、江蘇など10カ所で用地選定を進めてきた。
中国は核燃料処理に高い関心を抱いている。中国核工業集団(CNNC)と仏アレバ
は、中国に核燃料の再処理工場を共同で建設する計画だ。15年9月の発表によると、
20年に着工し、30年ごろの完成を目指す。年間800トンの核燃料再処理を見込む。中
国は核燃料再処理分野での商用化に大きく踏み出す。
総事業費は1000億人民元(約1兆8800億円)超を予定。フランス・コタンタン半島
のラ・アーグ岬に位置する核燃料再処理工場「ラ・アーグ再処理工場」を手本に、ア
レバの技術協力を受けてCNNCが建設する。すでに建設地の選定に着手した。40年以上
稼働中のラ・アーグ再処理工場は、年間の処理能力が1700万トン。原子炉80基相当の
燃料処理が可能だ。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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