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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「政策期待一巡、8月夏休み」

株式評論家 富田隆弥

◆29日の日銀決定会合はどのような決定を下しただろうか。寄稿時点(7月28日現在)では分からないが、市場で緩和期待を高めていたるだけに、その決定が8月以降の株式市場の方向性を決める可能性は十分にある。

日経平均株価のチャートは、7月21日に1万6938円まで上げ、75日移動平均線や一目均衡表の「雲」を突破した。2週間で12%の急騰であるから、そのあとのスピード調整は仕方なく、26日の安値1万6323円は75日線や「雲」下限を下支えとし、翌27日に反発(281円高)したことで流れは上向きを維持している。

◆ただし、7月21日の1万6938円は変化日(7月8日安値から基本数値の9日目)高値で、そこで日足は「宵の明星」を描いている。いつまでもそれを残すようだと、調整入りも否めなくなる。2週間で12%という急騰に対する反動になるので、26日の調整安値1万6323円を維持できるかが目先の下値ポイントになろう。そこには週足の26週線も重なる。

◆また、日本株を左右する為替(ドル円)は一時107.48円(7月21日)まで円安に戻したが、その後は104円台に押し返されている。日銀の追加緩和と政府の景気対策に期待を高め円安を進めたが、27日に安倍首相が「事業規模28兆円(真水6兆円)」を表明したことで景気対策を巡る思惑は織り込んだ。あと日銀がどのような策を打ち出せるかだが、事前に期待を膨らませてハードルを高めたことは気がかりだ。

◆そして、日本株のカギを握るのがNYダウ。7月20日に1万8622ドルまで過去最高値を伸ばしたが、その後は高値圏での調整が続く。単なるスピード調整なら良いが、FOMCを終えてバカンスシーズンの8月となると調整を長引かせることも想定される。

◆日本も日銀決定会合終えると「お盆、甲子園」の8月となる。熱狂のポケモンGO相場も一巡。日経平均は「宵の明星」を突破できるのか、それとも75日線の1万6300円処を割り込むのか、しばらくはその方向性を見極め、その流れに従うスタンスが必要だろう。

(7月28日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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