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【市況】新興市場見通し:イベント通過で反発も上値切り下げの展開か、LINE15日上場

ジャスダック <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う市場不安が再燃するなか、日経ジャスダック平均、マザーズ指数ともに下落した。前週は市場の懸念後退を追い風に軽快なリバウンドを見せたマザーズ指数だが、25日線水準回復とともに目先の上昇が頭打ちとなり、利益確定の動きが広がった。週末にかけては米雇用統計の発表を控え手仕舞い売り優勢となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-3.7%であったのに対して、マザーズ指数は-6.3%、日経ジャスダック平均は-1.5%だった。

個別では、そーせいグループ<4565>が週間で9.5%安となったほか、ミクシィ<2121>が同2.1%安、サイバーダイン<7779>が同8.6%安とマザーズ時価総額上位は軟調だった。そーせいグループは英子会社のマイルストン受領、ミクシィは美容アプリなどの順調推移を受けて買われる場面もあったが、地合い悪に押された。直近IPO銘柄が活況となり、ベガコーポレーション<3542>、バーチャレクス・コンサルティング<6193>が買われた一方、先行していたキャリア<6198>や農業総合研究所<3541>は利益確定売り優勢だった。その他マザーズでは、連日で材料の観測されたディー・ディー・エス<3782>の上昇が目立った。反面、アキュセラ<4589>の下落が続いたほか、臨床試験結果が嫌気されたナノキャリア<4571>やアンジェスMG<4563>も売られた。ジャスダックでは、セリア<2782>が同6.7%安、エン・ジャパン<4849>が同8.9%安と軟調だったが、日本マクドナルドHD<2702>は同2.2%高としっかり。シダー<2435>などの介護関連に加え、低位株物色が活発だった。その他、好決算のエスプール<2471>が買われたが、フジタコーポレーション<3370>などは利益確定売りに押された。IPOでは、セラク<6199>が上場2日目の7月4日に公開価格の約2.6倍となる高い初値を付けた。その後3日連続でストップ高となったが、足元では利益確定の流れとなっている。

今週の新興市場は、米雇用統計を好感した欧米株の上昇が安心感につながり、週初は買いが先行しそうだ。しかし、市場全体の不安定感が重しとなり、マザーズ指数は下降する25日線に沿って上値を切り下げる展開となる可能性がある。7月15日のLINE<3938>上場に向け換金売り圧力が強まることも想定される一方、19日のマザーズ指数先物の取引開始に向けた思惑は高まりにくいだろう。

今週は7月11日にプロパスト<3236>、アクトコール<6064>、13日にシンワアートオークション<2437>、ケイブ<3760>、14日にTOKYO BASE<3415>、エディア<3935>、Gunosy<6047>、ロゼッタ<6182>、15日にアクロディア<3823>、メタップス<6172>、テイツー<7610>などが決算発表を予定している。プロパスト、シンワアートオークション、Gunosyは前期業績の上方修正を発表済み。GunosyはKDDI<9433>との提携の寄与が期待される今期業績見通しに注目する向きがあるようだ。

IPO関連では、7月15日にLINEが新規上場する。ブックビルディング期間中の7月4日には異例となる仮条件の引き上げを発表し、大きな話題となった。公開価格決定は11日の予定。ブックビルディングでは需要堅調と観測されているが、市場全体の不安定感が強い点は気掛かりなところ。なお、7月14日には先行してニューヨーク証券取引所に上場するため、米国での株価動向が注目されよう。

《FA》

 提供:フィスコ

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