【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):フリークアウ、堀場製、FFRI、ヤフー
フリークアウ <日足> 「株探」多機能チャートより
1日、フリークアウ <6094> [東証M]がLINE向け広告配信サービスを開始すると発表したことが買い材料視された。同社が開発したモバイルマーケティングプラットフォーム「Red」が、LINEと唯一のRTB(リアルタイム入札型)接続パートナーとして連携し、広告配信サービスを提供する。サービスを利用する広告主は、LINEおよびLINE関連サービス上の広告枠に対して、同社が独自に保有する性別・年齢・興味関心などのセグメントデータを活用した多様な広告配信を行うことができる。発表を受けて、国内6800万人を超える豊富なユーザー基盤を持つLINE向けの広告配信サービス開始による業績への寄与に期待する買いが向かった。
■堀場製作所 <6856> 5,000円 +255 円 (+5.4%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
堀場製作所<6856>が大幅に5営業日続伸。SMBC日興証券が同社についてポジティブなリポートをリリース。リポートでは、ハイエンドスマートフォンのストレージ容量が倍増、NANDフラッシュの需給がひっ迫、設備投資の拡大傾向が続くと予想、同社のMFC(マスフローコントローラー)売上にプラスとなると想定。自動車セグメントに関しては、従来通り、排ガス規制強化の恩恵を受けるとの見方を継続している。業績予想を上方修正し、目標株価を4100円から5900円に引き上げ、投資評価は「2」(中立)から「1」(アウトパフォーム)へ格上げしている。
■マルハニチロ <1333> 2,659円 +131 円 (+5.2%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
マルハニチロ<1333>が全般下げ相場に逆行して5%を超える大幅高で年初来高値更新。米5月の雇用統計発表を目前に控え、米利上げ思惑を絡め為替が変動しやすい環境にあるが、足もとは円高進行とリンクさせた仕掛け的な売りが全体相場を揺さぶっている。ただ、同社は円高デメリットを受けにくいうえ、国内や米国の経済実勢の影響も限定的というディフェンシブストックとしての強みを持つ。17年3月期の連結業績売上高は8900億円(前期比0.6%増)、営業利益は180億円(同6.1%増)と増収増益を予想しており、PER15倍に割高感はない。信用買い残が枯れ切った状態で、信用倍率は直近5月27日申し込み現在で0.15倍と大幅に売り長であり需給関係の良さも買いを引き寄せる背景となっている。
■FFRI <3692> 4,545円 +215 円 (+5.0%) 本日終値
FFRI<3692>が急伸。1日の取引終了後、パナソニック<6752>とIoT機器のセキュリティーに関して共同研究を開始することになったと発表しており、成長力強化につながるとの見方から買いが入っている。今回の共同研究は、FFRIの高度なサイバー・セキュリティーに関する専門的技術力と、パナソニックの最先端IoT機器関連の技術力を組み合わせ、IoT時代に必要なセキュリティー対策を調査研究し、具体化するのが狙い。IoT機器に対する攻撃者視点のセキュリティー分析・現状把握や解析対策技術の研究、自動車セキュリティーに関する研究、さらに共同研究を介したセキュリティー人材育成などを行うとしており、その成果を現状、および将来開発されるさまざまなIoT機器、製造プロセス、運用の仕組みなどに適用することで、今後予測される新たな脅威に対抗するとしている。なお、FFRIでは17年3月期業績に与える影響は軽微とみている。
■エン・ジャパン <4849> 1,979円 +61 円 (+3.2%) 本日終値
エン・ジャパン<4849>が大幅高。企業の求人需要は極めて旺盛で、求人情報を手掛ける企業もその恩恵を享受している。特にスマートフォンの普及加速により紙媒体よりもサイトを運営する企業への追い風が強い。そのなか、同社は主力の転職サイト「エン転職」や派遣会社向け求人サイト「エン派遣」が好調に需要を取り込んでいる。サイトリニューアルやコストをいとわない積極的な広告宣伝が奏功し、広告出稿数の伸びに反映されている。17年3月期経常利益は前期比12.5%増の56億8000万円を見込んでいるが、市場では「広告出稿数を控えめに見積もる一方で、宣伝コストはMAXで収益予想に織り込んでいるため一段の増額の公算が大きい。70億円近くまで増額余地がある」(国内中堅証券)という見方が出ている。
■ヤフー <4689> 514円 +15 円 (+3.0%) 本日終値
ヤフー<4689>が商いを伴い上値指向。急落相場のなかで強さを発揮し、5日・25日移動平均線が収斂(しゅうれん)する500円近辺を上に放れてきた。ソフトバンクグループ<9984>は2日取引開始前に、同社が保有する中国電子商取引大手アリババ集団の株式を追加売却することを発表、売却総額は89億ドル、日本円にして約9700億円に増える見通しとなった。この動きが、返す刀でヤフー株取得に動くのではないかという思惑を誘い、買い人気に反映されているようだ。ヤフーは現在、ソフトバンクグループが約43%出資しているが、約35%を出資する米ヤフーが売却を検討中であることが伝わっており、この受け皿になるとの思惑が市場ではくすぶり続けている。
■トラスコ中山 <9830> 5,420円 +110 円 (+2.1%) 本日終値
トラスコ中山<9830>が続伸し連日の新高値。MRO商材(工具・消耗品・備品など)の電子商取引化(EC化)の恩恵を享受するとの期待が強まっている。ゴールドマン・サックス証券は31日に、機械工具商は高齢化が進み廃業が加速、代わってEコマース事業者が台頭するなか、同社のような卸売業者がEC化の流れを最も享受すると評価。投資判断を「買い(コンビクション)」とし目標株価6900円に設定している。
■イーレックス <9517> 2,050円 +38 円 (+1.9%) 本日終値
イーレックス<9517>が4日続伸。いちよし経済研究所が1日付のリポートで、レーティング「A」を継続しつつ、フェアバリューを3000円から3300円へ引き上げたことが好感されている。同研究所は、年間の電気使用稼働率(負荷率)が低い顧客の獲得増加などで収益性が想定以上に高まっていることを評価。今後も電力小売りの拡大やバイオマス発電の拡大を軸に中長期的な収益拡大が継続すると考え、17年3月期営業利益予想を22億円から27億円(会社計画26億6400万円)へ、18年3月期を同40億円から45億円へ引き上げた。
■カワチ薬品 <2664> 2,480円 +3 円 (+0.1%) 本日終値
カワチ薬品<2664>が全般波乱相場に逆行して続伸。同社は東日本で大型郊外店を中心にドラッグストアを展開するが、業績は好調をキープしている。1日に発表した5月度(4月16日~5月15日)の連結月次売上高は、既存店が前年同月比4.0%増、全店ベースでは3.9%増だった。5月度は前半に昨年と比べ気温の低い日が続き、季節関連商材が低調だったが、販促努力が奏功して客数客単価とも順調に伸びた。5月はインバウンド需要の反動が表面化して消費関連企業の苦戦が目立つなか、同社は強さを発揮したことで買い安心感が働いた格好だ。
■関西ペイント <4613> 2,051円 -168 円 (-7.6%) 本日終値 東証1部 下落率2位
1日、関西ペイント <4613> が総額1000億円のユーロ円建て新株予約権付き社債(転換社債=CB)を発行すると発表したことが売り材料。転換価格は19年満期の400億円が2663円、22年満期の600億円が3217円で、ともに発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は12.64%になる見込み。発表を受けて、将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を警戒する売りが向かった。調達資金は海外でのM&A(合併・買収)など事業成長に向けた投資のほか、200億円を上限とする自社株買いに充てる。
株探ニュース