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【特集】【今週読まれた記事】閑散相場のなか、政策絡みのテーマ浮上

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 株探でその週によく読まれた記事を紹介する【今週読まれた記事】のコーナー、今週は5月21日から27日までの株探へのアクセス状況を元に人気の記事をご紹介します。

 決算発表も出そろい、伊勢志摩サミットを迎えた今週の東京株式市場は閑散もよう。1週間にわたって、1日として売買代金が2兆円を上回る日はありませんでした。前週も含めれば7営業日連続の2兆円割れ。16日以降の10営業日で2兆円を上回ったのは1日だけです。一方で日経平均株価はじわじわと下値を切り上げ、26日には1万7000円の回復目前まで上昇。「閑散に売りなし」の相場格言を地で行く展開となっています。

 マーケットに閑古鳥が鳴く一方で、株探には今週も多くの投資家の方々にお出でいただき、編集部一同感謝の言葉もありません。玉の建て方は人それぞれ、買いで入るにせよ売りで入るにせよ、上昇相場の盛り上がりが終わり、出来高の細った市場で、業績、株価、景気動向を見据える投資家には、幾度もの相場の山と谷を乗り越えてきた「本物」の迫力があります。今週、そんな海千山千の投資家の方々が選んでくださった記事は何だったのでしょうか。

 「フィンテック“旋風”再び、改正法成立で『大反騰』 <うわさの株チャンネル>」は改正資金決済法などが成立したことを受け、フィンテック関連株が一斉に買われた背景と今後の見通しを解説し、今週1番のアクセスを集めました。

 政策の後押しが業界動向と株価に大きな影響を与えることは、昔から変わりません。フィンテックがその華々しさから脚光を浴びる一方、政府の予算配分はあまりマーケットが注目していない分野にも及んでいます。「“不妊治療”市場規模『1000億円超』へ、関連株を追う」は、「一億総活躍プラン」での少子化克服の取り組み、助成金の引き上げなどにより、市場が成長しつつあることを解説。少子化問題と背中合わせの関係にある労働人口の減少を取り上げた「“人手不足”は記録的、どこまで騰がるか『人材株』」も人気でした。

 業績に焦点を当てた記事で最も人気を集めたのは、「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】 46社選出 <成長株特集>」、次いで「17年3月期『最高益』銘柄リスト【総集編】 51社選出 <成長株特集>」でした。決算集中期間から随時配信した人気の成長株特集の総集編、いわば決定版ということで、今期の要注目銘柄のリストとなっています。増益率を条件とした「17年3月期【経常増益率】ベスト 50 <成長株特集>」もページビュー(PV)を伸ばしました。

 割安株特集では、「17年3月期増益を見込む、低PER『お宝候補』リスト」の「東証1部編41社選出」、「新興&2部編39社選出」がともに人気でした。「『全面高』で注目したい“最高益&割安”銘柄リスト <株探トップ特集>」もPVを伸ばし、閑散相場のせいか、割安株特集のPVが前週までより少し伸びています。

 連載陣では、【植木靖男の相場展望】が「膠着状態を脱する条件」で、株価はいったん下がらなければ上がらないと、“相場のアヤ”を絶妙の表現で解説しています。富田隆弥の【CHART CLUB】では「嵐の前の静けさか」、【北浜流一郎のズバリ株先見!】では「うたかたの夢追う投資家たち」と、タイトルを並べただけでも現在の相場が陥っている状況が見えてくるようです。

 市場関係者の声を聞いた記事では、「燻る政策期待、漂流相場の先に待つのは?」の「6月中に日経平均1万8000円台視野」、「GDP600兆円でIoTなど注目」、「6月の日米金融政策決定イベントに強い関心」がアクセスを集めました。3者ともに共通するのは、国策の後押しの見込まれる銘柄への期待です。

 初めに紹介した「フィンテック“旋風”再び、改正法成立で『大反騰』 <うわさの株チャンネル>」にせよ「“不妊治療”市場規模『1000億円超』へ、関連株を追う」にせよ、共通するのは政策による後押しの存在。振り返ってみれば3月頃から、マーケットから盛んに聞こえてきたのは「政策催促相場」との声。結局その後、具体的な政策は打ち出されないまま今に至っているのですが、こうして今週読まれた記事を並べてみると、東京市場はいまだ政府の対策を待っているように見えます。2016年の大イベントの一つだった伊勢志摩サミットは終了しました。来週以降の政府の動向と相場の展開に注目が集まるところです。

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