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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 重要変化日

株式評論家 富田隆弥

◆伊勢志摩サミットも終わり、日本は7月(10日?)の参院選に向かって動き出す。6月1日の国会会期末までに安倍首相は景気対策や消費税10%引き上げ延期などを決断、発表してくるだろう。サミットで「リーマン前と似た状況にある」と語っており、サプライズとなる策を出してくる可能性もあり、今週はまずそれが焦点になろう。

◆一方、海外でも6月2日はECB理事会とOPEC総会、6月3日は米雇用統計と注目イベントが続く。欧米株はNYダウを中心に切り返してきたが、5月30日のメモリアルデー(米国休場)を境にバカンスシーズンとなることから、「セル・イン・メイ(5月に株を売れ!)」のジンクスが気になるところ。

◆そして日本株は薄商いの中、1万6000円台でもみ合いが続く。日経平均株価は26日に1万6957円高値をつけ、13日の幻のSQ(1万6845円)をようやく上抜いたものの、日足の一目均衡表遅行線の「雲」上限(1万6989円)やボリンジャーバンド+1σ(1万7123円)、週足の26週移動平均線(1万7136円)など節のまだ手前で、好転の兆しは見られない。

◆週足チャートは、昨年8月のダブルトップから2月まで大きく二段下げ。そのあとジリ高の踊り場となっている。普通の地合いなら、6月ボーナスシーズンでもあり「7月選挙高」を目指し、26週線を試すようなジリ高基調が続くことも想定される。だが、最近の相場は早め早めに山谷を付ける傾向にあるほか、今週6月第1週は2月12日安値から17週、4月8日安値から9週目の“重要変化日”だけに、もみ合いから動きだす方向がポイントになってくる。

為替(ドル円)も110円台にタッチしたが、チャートは節目110~111円をまだ抜けず、アヤ戻りの正念場。こうした状況で安倍首相の景気対策にサプライズがなければ、どうなるか。サミットを終えて「宴のあと」、外国人が日本から再び引き揚げることも否めず、日経平均の下値抵抗線注視のスタンスを続けておく。

(5月26日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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