市場ニュース

戻る
 

【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 嵐の前の静けさか

株式評論家 富田隆弥

◆日経平均は5月11日に1万6814円まで上げたが、その後は1万6500円前後でウロウロ、膠着感を強めている。サミットが迫り、政策(骨太方針)期待もあるほか、日銀ETF買いや年金買いのPKOもあり普通なら株価は上昇しておかしくないところだ。しかし、そこで「膠着」ということは売り物(外国人)もかなり出ているということだ。

◆「セル・イン・メイ(5月に株を売れ!)」の5月。外国人がPKOの働く高値圏で「売り逃げておこう」と考えてもおかしくない。また、債券、株式ともPKO(当局の過剰介入)により相場の膠着が続き、市場機能を低下させていることも外国人は嫌がるだけに気掛かりだ。そうだとすると政策発表あとやサミットあとが心配で、いまの膠着は「嵐の前の静けさ」ということか。

◆チャートも気掛かりなポイントを多く残している。(1)13日は幻のSQ(1万6845円)になった、(2)11日1万6814円、19日1万6841円はともに変化日高値になる、(3)4月28日「窓」(1万6652円)を埋めたが、「戻りは窓埋めまで」のジンクスが否めない、(4)26週線を抜けず昨年からの下落基調が続く、(5)NYダウの4月20日高値1万8167ドルが11週サイクルの高値として残る。

◆この状況で、膠着もみ合いを下放れると、2月安値から引く下値抵抗線(1万5900円処)を維持できるか分からなくなる。この抵抗線を割り込むと週足ベースで「三段下げ」が始まるだけに、下値注視のスタンスを続けざるを得ない。

◆日経平均はここから月末にかけ日足、週足とも「雲」クロスなど変化日が集中し、ウネリが出やすくなる。膠着の踊り場から上放れるなら26週線(1万7250円処)が焦点となるが、変化日高値になるリスクを抱える。逆に下放れると三段下げリスクと、どちらにせよここからの日本株は注意が必要と考える。

◆ちなみに、為替(ドル円)チャートは円高基調が続いており、110円~111円の戻り(円安)はアヤ戻りの正念場。112円台を回復しなければ基調好転(円安基調)とならない。「2日新甫」の5月。下旬になっても気が抜けない。

(5月19日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均