【特集】円安復帰で浮上する“好需給&大幅増益”の妙味株 <株探トップ特集>
日新電 <日足> 「株探」多機能チャートより
―1ドル=110円台乗せで日経平均一時200円近く上昇―
19日の東京株式市場は、外国為替市場の円相場が、1ドル=110円台前半と約3週間ぶりの円安・ドル高水準に振れたことを好感して日経平均株価が、前日比で一時200円近く上昇してスタートした。ただ、買い一巡後は、米株価指数先物や原油先物が下落したことを背景に、大きく伸び悩む展開。買い手掛かり材料不足から物色難が続くなか、今回は今期大幅経常増益予想で、なおかつ東証信用倍率がほぼ1倍水準以下の信用取組妙味のある銘柄を紹介した。
●日新電機はイオン注入装置の成長に期待
日新電機 <6641> は12日、17年3月期の連結業績予想を発表。売上高1300億円(前期比14.4%増)、経常利益150億円(同23.6%増)、純利益100億円(同17.3%増)を見込む。太陽光発電用パワーコンディショナーの減少で「新エネルギー・環境事業」は減収・減益の見通し。しかし、主力の「電力機器事業」が国内市場・海外市場とも堅調推移が予想され増収・増益の見通し。さらに、高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の売り上げが高水準となる見通しで「ビーム・真空応用事業」も大幅な増収・増益を予想している。
●パナホームの新築請負受注残は高水準
パナホーム <1924> は、17年3月期通期の連結業績を、売上高4000億円(前期比13.3%増)、経常利益215億円(同35.5%増)と見込む。展示場への来客数と新築請負の受注が前期下期から回復基調にあり、16年3月期末時点の新築請負受注残が1750億円(15年3月期末比12%増)と高水準であることが好業績見通しにつながっている。さらに、街づくり事業でのスマートシティ、マンションの展開および木造分譲での新たな市場開拓。さらに海外では、台湾をはじめ、タイ、インドネシアなどでの積極展開を目指す。
●レンゴーは積極的M&Aで世界展開へ
レンゴー <3941> は、17年3月期通期の連結業績で売上高5580億円(前期比4.8%増)、経常利益240億円(同44.3%増)と大幅増益を見込む。今3月期は段ボールの販売数量拡大、エネルギーや古紙価格の下落、不採算の洋紙事業からの撤退などにより利益拡大が続く見通し。また、同社は国内外でのM&Aに積極的に取り組み、業容拡大に向け貪欲な姿勢をみせるなか、13日には重量物段ボールの世界的なブランドを持つトライウォール社の全株式を取得(取得価格は248億円)して子会社化することを発表した。今回、レンゴーが傘下に収めるトライウォールはアジア、欧州の各国で事業を展開するトライウォールグループの持ち株会社で、レンゴーの今後の世界展開に期待がかかる。
●丸一鋼管は下期から国内建設需要が本格化
丸一鋼管 <5463> は17年3月期の連結業績見通しを、売上高1387億円(前期比4.3%減)、経常利益222億円(同17.2%増)と見込む。同社は建設業界向けなどを中心とした溶接鋼管の最大手で、高付加価値製品に特化しており、高い利益率が特長。オリンピック関連需要がスタートするなど下期からの国内建設需要の回復や、北米やアジアなど海外での製品価格上昇などが寄与する見通しだ。
●日本空港ビルは訪日外国人増加が継続寄与
日本空港ビルデング <9706> は11日、17年3月期の連結業績予想を発表。売上高は2210億円(前期比8.3%増)、経常利益は156億円(同14.3%増)、最終利益は111億円(同25.1%増)と2ケタ営業増益を見込む。訪日外国人観光客数が順調に増加していることなどを背景に、航空旅客数増加により施設利用料収入が伸びるほか、1月に開業した三越銀座店の空港型市中免税店が通年営業となることが収益に寄与する。また、機内食の売り上げ拡大も期待できそうだ。
◆今期大幅経常増益の信用好取組銘柄◆
今期 信用
銘柄 増益率 倍率 株価 PER
ファンケル <4921> 2.2倍 0.26 1525 50.3
京急 <9006> 2.1倍 0.32 993 15.6
ケーヒン <7251> 58.9 0.92 1701 8.6
ゼンショーHD <7550> 47.4 1.15 1376 29.3
パナホーム <1924> 35.5 0.20 868 11.0
スタートトゥ <3092> 23.9 0.23 4730 32.2
丸一鋼管 <5463> 17.2 0.07 3490 18.4
日新電 <6641> 23.6 0.82 1461 15.6
オートバックス <9832> 14.4 1.08 1685 24.4
ナガワ <9663> 13.9 1.00 3510 18.7
レンゴー <3941> 44.3 0.23 647 11.0
洋缶HD <5901> 23.8 0.29 2252 19.0
日本M&A <2127> 12.4 1.15 6720 49.5
日本空港ビル <9706> 14.3 0.77 3710 27.1
エフピコ <7947> 10.5 1.25 4795 19.1
※株価は5月19日終値(単位:%、100万円、円、倍)
東証信用倍率は、5月13日申し込み現在
株探ニュース