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【特集】檜和田浩昭氏【燻る政策期待、漂流相場の先に待つのは?】(3) <相場観特集>

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

 財政出動を絡めた景気刺激策への期待感が東京市場に底流している。前週末に開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、財政政策に向けた結束には至らず、週明けの株価は軟調展開を強いられたが、売り一巡後は下げ渋った。伊勢志摩サミットや7月の参院選を控え、政策発動への期待が依然根強いなかで、マーケットは果たして上値を追うことができるか否か。また、ここで拾うべき銘柄は何か。相場を幅広くウオッチングするプロの声をまとめた。

●「6月の日米金融政策決定イベントに強い関心」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

 現在の株式市場関係者の最大の関心事は、ともに6月に開催される日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)で打ち出される内容だ。もちろん、今週26~27日に開催される伊勢志摩サミットの討議に関連して、財政政策の具体化や消費増税の延期などの政策にも市場参加者の期待が寄せられている。

 6月の金融政策決定会合については、前回が期待の大きいなかで「現状維持」に終わったことで、市場関係者のなかには「今度こそ何らかの追加緩和策が実施されるのでは」との思惑が高まっている。消費増税の実施については、実施か先送りかの判断について予断を許さない状況となっている。ただ、もし実施された場合には、株式市場にとっては厳しいマイナス材料と受け止められることになりそうだ。

 財政出動については、その金額規模がどの程度思い切ったものになるのかに関心が集まっている。緊急経済対策ということになれば、やはり公共事業が中心となり建設株が物色対象となりそうだ。追加緩和が実施されれば、不動産関連の業種にも注目が寄せられる。今年の夏相場の日経平均株価は、大きく崩れる懸念は少なく、下値は1万6000円から、上値は4月高値の1万7600円水準を目指す展開が予想される。

 今後とも国策の後押しが見込める投資テーマとしては、インバウンド関連でJR各社に代表される電鉄があげられる。自動車の運転自動化の中核技術である大容量リチウムイオン電池用部材大手のステラケミファ <4109> や、リチウムイオン電池セパレーター専業のダブル・スコープ <6619> をはじめとする関連メーカーに注目。VR(仮想現実)市場の成長で恩恵の大きいソニー <6758> も見逃せない。

(聞き手・冨田 康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会 検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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