【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):トクヤマ、日写印、ネクソン、アカツキ
トクヤマ <日足> 「株探」多機能チャートより
トクヤマ<4043>が急騰。同社は16年3月期に、マレーシアの太陽電池向け多結晶シリコン事業に関する大型プラントで巨額の特別損失を計上、経営再建策の必要性に迫られていたが、12日、企業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)に優先株を発行するかたちで200億円を調達すると発表したことから、これを材料視する短期資金を呼び込んだ。前日に観測報道が出て大幅高をみせていたが、きょう改めて物色人気が集中した。
■日本写真印刷 <7915> 2,068円 +400 円 (+24.0%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
日本写真印刷<7915>が全般悪地合いに抗しストップ高。前場の午前11時13分に値幅制限上限で値をつけた後、一瞬緩んだのも束の間、すぐに売り物を凌駕して再度カイ気配と異彩を放っている。市場では「JPモルガンが投資判断をニュートラルからオーバーウエートに引き上げたほか目標株価を3000円としたことでインパクトがあったようだ。しかも2月19日に、200億円のユーロ建てCB発行を嫌気してマドを開けて350円近い下げをみせていた経緯があり、その時の真空地帯を駆け上がる格好となった」(国内準大手証券マーケット支援部)としている。戻り売り圧力が希薄なゾーンで、強気の目標株価再設定により、想定以上の値幅がもたらされた格好だ。同社は中期経営計画で積極的な設備投資計画を打ち出しており、「攻めの経営に対する意外性が買い人気に反映された」(同)と指摘されていた。
■平田機工 <6258> 3,845円 +700 円 (+22.3%) ストップ高 本日終値
平田機工<6258>がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は12日取引終了後に、前16年3月期通期の連結決算を発表。経常利益は28億2500万円(前の期比44.0%増)となり、従来計画の27億円から上振れした。売上高は530億4800万円(同1.7%増)で着地。半導体関連生産設備事業は小幅減収となった半面、自動車関連生産設備事業が堅調だったほか、家電関連およびその他生産設備事業が大きく伸びた。また、同時に17年3月期通期の連結業績予想を発表。事業拡大が期待できる市場や分野への積極的な展開などで、売上高600億円(前期比13.1%増)、経常利益35億円(同23.9%増)を見込んでいる。
■ネクソン <3659> 1,850円 +319 円 (+20.8%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
ネクソン<3659>が買い気配スタートし、窓を開けて急伸。12日引け後、16年12月期第1四半期の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比10.6%増の574億9700万円となったものの、営業利益は同83.3%減の37億300万円となった。売上収益は、主に中国地域におけるPCオンラインゲームタイトルの売上収益及び韓国地域におけるPCオンライン及びモバイルゲームタイトルの売上収益が想定を上回ったことにより、前回予想を上回った。利益面は、主に連結子会社gloops社の全株式を取得した際に生じたのれんに係る減損損失243億6000万円を計上したこと、及び外貨建ての現金預金及び売掛金に関し為替差損が生じたこと等により、前回予想を下回った。ただ、今日は減損損失を除けば実質増益との見方から、買いが膨らんでいるようだ。
■ゴールドクレスト <8871> 1,837円 +246 円 (+15.5%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
12日、ゴールドクレスト <8871> が決算を発表。16年3月期の連結経常利益は前の期比2.3倍の63.2億円に伸びて着地。続く17年3月期も前期比42.3%増の90億円に拡大する見通しとなったことが買い材料。今期は都心部を中心に高単価のマンションの販売が大きく伸び、26.3%の大幅増収を見込む。業績好調に伴いに、今期の年間配当は前期比4円増の44円に増配する方針とした。前日終値ベースの配当利回りが2.77%に上昇し、配当取りを狙う買いも向かった。
■アカツキ <3932> 5,330円 +705 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
12日、アカツキ <3932> [東証M]が決算を発表。16年3月期の連結経常利益は前の期比3.3倍の19.7億円に伸びて着地。続く17年3月期も前期比52.0%増の30億円(予想レンジ中値)に拡大を見込み、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。今期もスマートフォン向けゲームの既存タイトルの成長と新規タイトルの投入が寄与し、課金収入が大きく伸びる。
■SBSホールディングス <2384> 796円 +99 円 (+14.2%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率6位
SBSホールディングス<2384>が後場上げ幅を拡大。午後1時ごろ、16年12月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の1450億円から1465億円(前期比7.3%減)へ、営業利益を62億円から66億円(同23.4%増)へ、純利益を36億円から43億円(前期38億1500万円の赤字)へ上方修正したことが好感されている。連結子会社SBSロジコムが所有する販売用不動産信託受益権(川越物流センター)を譲渡するのに伴い、第2四半期の不動産事業で譲渡価額約75億5000万円を売上高として、譲渡益約36億7000万円を営業利益として計上することなどが要因。また、法人税等の税率の引き下げに伴い、繰延税金負債を取り崩した分を反映させたとしている。なお、同時に発表した第1四半期(1~3月)決算は、売上高336億300万円(前年同期比15.0%減)、営業利益6億3900万円(同12.9%減)、純利益7億4400万円(同71.3%減)だった。
■PALTAC <8283> 2,132円 +249 円 (+13.2%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
12日、PALTAC <8283> が決算を発表。16年3月期の経常利益(非連結)は前の期比13.7%増の185億円に伸びて着地。続く17年3月期も前期比5.1%増の195億円に伸び、6期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことも買い材料。今期は前期に買収した伊東秀商事が通期フル寄与するほか、小売業・メーカーとの連携強化や生産性改善などを通じ、国内卸売事業の収益向上を図る。業績好調に伴い、前期の年間配当を48円→50円(前の期は45円)に増額し、今期も前期比4円増の54円に増配する方針としたことも支援材料。併せて、19年3月期を最終年度とする中期経営計画の営業利益目標を従来予想の165億円から180億円に上方修正した。
■寿スピリッツ <2222> 2,654円 +294 円 (+12.5%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
12日、菓子大手の寿スピリッツ <2222> が決算を発表。16年3月期の連結経常利益は前の期比60.7%増の33.2億円に拡大し、従来予想の27億円を上回って着地。続く17年3月期も前期比11.3%増の37億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。前期はインバウンド対策の強化や首都圏エリアでの展開強化が奏功し、ケイシイシイやシュクレイを中心に収益を大きく伸ばした。今期も引き続きインバウンド対策などの重点施策を推進するうえ、前期に買収した洋菓子店の通期フル寄与などで、17.9%の大幅増収を見込む。併せて、今期の年間配当は25円とし、3月31日割当の株式分割を考慮した実質配当は25.0%増配とする方針としたことも支援材料。
■カルソニックカンセイ <7248> 865円 +90 円 (+11.6%) 本日終値
カルソニックカンセイ<7248>が急騰。同社は12日取引終了後に発表した17年3月期の連結業績予想は、売上高は減収予想ながら、最終利益段階で250億円(同11.0%増)と前期に続く2ケタ増益で過去最高利益水準を見込んでいることで、これを評価する買いが流入した。同社の筆頭株主は40%の株式を保有する日産自動車<7201>で三菱自動車<7211>買収に伴い大型再編の流れも同社株を強く刺激している。
株探ニュース