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【特集】高橋春樹氏【反転上昇なるか? 3月期末相場】(3) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品副本部長)

 26日の東京株式市場は、前日の欧米株式市場が総じて大幅上昇したことや外国為替市場での円安・ドル高進行を好感。日経平均株価終値は、前日比48円高の1万6188円と小幅ながら続伸した。来週からはいよいよ3月期末相場に突入する。株式市場は果たして、反転上昇軌道が鮮明になるのか、第一線の専門家に見通しを聞いた。

●「3月末に1万8000円目指す展開も」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品副本部長)

 今後の東京株式市場は、どうしても外国為替相場の変動に左右される展開が続きそうだ。円高・ドル安進行には“2つの筋”がある。1つは、米金利の上昇が従来の想定に比べてマイルドになるとの見方を反映した“ドル安”に伴う円高。2つ目は、世界景気の不透明感が強まることに伴う“リスク回避の円買い”。この両面から円高が進行している。

 3月に入っての、米2月のISM製造業景況指数などを見ないと米景気の先行き判断は難しいが、NYダウ平均株価は1月20日安値(1万5450ドル)と2月11日安値(1万5503ドル)でダブルボトムをつけて、ネックラインを突破してきており、底打ちのパターンとなっている。

 また、原油先物価格も指標油種のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)もダブルボトムを形成しつつあり、ネックラインの1バレル=33ドル台後半を超えてくれば、こちらも底入れが鮮明となりそうだ。さらに、円相場も、1ドル=111円台から円安方向に進行すれば、底打ちムードが浮上する可能性もある。

 今後、円安・ドル高が進行すると仮定して、1ドル=114円台に入ってくれば、株式市場にも本格的な買い資金が流入してくることになりそうだ。3月末の日経平均株価について、順当な戻り相場を想定すれば、1万7000~1万7500円の範囲となる。ただ、最近のボラティリティの極めて高い値動きを考慮すれば、戻りが加速する可能性もあり、75日移動平均線(1万8109円)を目指す展開もあり得る。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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