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2016年02月24日20時00分

【特集】時代が変わる、株価が動く ― 最強テーマ「フィンテック&AI」急動 <株探トップ特集>

GMO-PGの日足チャート 「株探」多機能チャートより

―関連銘柄百花繚乱、新ステージへアクセル―

 IT社会は既に概念の域を超えて日常の風景と同化しており、その象徴として「モノのインターネット」いわゆるIoTが注目されている。インターネットに接続される機器の数は2015年の180億台前後から20年には500億台前後まで拡大するともいわれ、その後も加速的にペースを上げていく可能性が高い。このあらゆるものとインターネットがつながっていくという現実は、ネットワーク上を膨大なデータが行き交うビッグデータ時代の到来と同一の時間軸で展開されていく。

 それに歩調を合わせるように、にわかに存在感を高めてきたのが人工知能(AI)だ。人間の脳では処理不能の領域でさらに爆発的に増える情報量、これを読み込み、最善の選択や判断を下すAIは、株式市場でも“最強のテーマ”として浮上しつつある。

●フィンテック、自動運転でもイノベーションの源泉に

 金融庁が仮想通貨を法改正で「貨幣の機能を持つ」と認定し、決済手段や法定通貨との交換に利用できることを正式に位置付けると24日付の日本経済新聞が報じた。これを受けて同日の東京株式市場では、フィンテック関連とされる銘柄群が急動意した。

 さくらネット <3778> 、インフォテリ <3853> [東証M]などがいずれもカイ気配でスタートとなったほか、ビットコイン決済サービスのbitFlyerと提携関係にあるGMO-PG <3769> も上昇した。さらに、さくらネット、インフォテリ、GMO-PGなどと同様にテックビューロと協業するアイリッジ <3917> [東証M]も急騰、仮想通貨取引所の運営会社と業務提携を検討するマネパG <8732> やビットコインサービスを提供するビットバンクと資本業務提携しているセレス <3696> [東証M]は値幅制限いっぱいに買われた。

 そして、この物色人気はAI関連として同じ範疇にある他の銘柄群にも燎原の火のごとく広がった。ジグソー <3914> [東証M]がストップ高で8日続伸と青空圏を舞い、それに追随するように、メタップス <6172> [東証M]、ロックオン <3690> [東証M]が大幅高、ロゼッタ <6182> [東証M]、エヌアイデイ <2349> [JQ]、ブレインP <3655> なども上値を追った。

 AIはここ長足の進歩を遂げており、フィンテックや自動運転車、産業ロボット、新薬開発といった、さまざまな有望分野でビッグデータの解析などをベースに知見をもたらすことを可能としている。人間ではフォローできない大量の情報を俎上に載せ、イノベーションの源泉ともなるため、企業もこれを取り込む動きが加速している。

●ディープラーニングで飛躍果たす

 新たなステージへと一気にアクセルを踏み込む契機となったのは、人間の脳を模したニューラルネットワークを駆使するディープラーニング(深層学習)だ。情報の「入力層」と「出力層」の間に隠れた「中間層」を厚くして多層構造とすることでコンピューターの識別能力を人間に限りなく近づけることに成功した。人間によるインプットなしにAI自らが学習し進化を遂げていく。これが飛躍的な生産性の向上を実現させることになる。

 ファナック <6954> は昨年12月の国際ロボット展でディープラーニング技術を使ったロボットを公開。実験によると8時間の独自学習で作業成功率を60%から90%にまで高めたという。

 また、三菱電 <6503> はディープラーニングの演算量を減らして組み込み機器単体で実用化する方法を確立、自動車や産業用ロボット、監視カメラなどへの「人工知能」搭載を進めていく構えにある。

●IT大手同士の連携にも注目

 日本IBMとソフトバンク <9984> は、人工知能「Watson」を活用した新しいアプリケーション開発に利用可能なコグニティブ・サービスの日本語版の提供を開始した。両社は連携してWatsonを搭載したヒト型ロボット「Pepper」の開発を進捗させる段階にあり、今後の展開に期待が高まっている。

 業態を問わず、AIを積極的に活用していこうという動きも顕在化している。直近では、KDDI研究所が、ウインドリバー、日本ヒューレット・パッカード、ブロケード・コミュニケーションズ・システムズと協力して、ネットワーク仮想化時代に向けて、AIを活用した自動運用システムを開発し実証に成功したことを発表している。また、日本生命保険は野村総研 <4307> と連携して「フィンテック」の保険版との位置づけでインシュアテックの研究を進めているが、今後ビッグデータやAIなどを使いコールセンター業務や保険引受時の査定を効率化する方法を検討する構えにある。

●ひしめく出世株候補

 上記銘柄以外では、ビッグデータ解析の草分けであるデータセク <3905> [東証M]、法的紛争や訴訟支援のUBIC <2158> [東証M]もAI技術を駆使した新サービスを開発、ホットリンク <3680> [東証M]やテクノスJ <3666> なども積極的にAI分野に取り組んでおり、今後頭角を現してくる可能性がある。また、自動運転車関連のシンボルストックであるアイサンテク <4667> [JQ]やアートSHD <3663> [東証2]なども連動高しやすい銘柄だ。


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