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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「サイコロ25%」、底値に接近?

株式評論家 富田隆弥

◆わずか5分間に600円幅の上げ下げ。乱高下がまだ続くと想定してはいたが、18日の日銀決定会合あとの乱高下は自分の記憶にない激しさだった。日銀の「QE3」への期待と失望が乱高下のキッカケになったが、短時間の乱高下を主導したのは「先物」であり、東証が取り入れたアルゴリズムが主因であったことに間違いない。

◆その日に日経平均は一時1万9869円の高値(515円高)を付け、25日移動平均線や200日線を大きく突破したが、ボリンジャーバンド「+1σ」や12月1日戻り高値の2万0012円に届くことなく失速、終わってみれば366円安の1万8986円でボリンジャーバンド「-1σ」を下回った。24日現在、1万8789円とその後も軟調は続き、一目均衡表は「雲」(1万9051-1万8313円)に突入、遅行線も「雲」(1万8923-1万7841円)に入ってきた。

◆「上がる、上がる」と言っていた証券界の掛け声とは裏腹に冴えない師走相場、チャートも悪化の一途である。ただ、サイコロジカルラインが「3勝9敗(25%)」に、RCIや騰落レシオも底値に近づいてきた。こうなると、皆が諦めかけた「掉尾の一振」があるかも知れない。そうなれば、また証券界から新春相場へ楽観論が台頭してくるだろうが、外国人投資家の休暇が続くほか、チャートが軟化している中で上値を多く欲張ることはできない。

◆新年(申年)の相場観測は別の機会に触れるが、新春も調整から始まるケースが珍しくなく、チャートが明確に好転するまでは慎重姿勢が続くだろう。それにしても個人投資家をのけ者とするアルゴリズムは始末に悪く、新年の懸念要因になりかねない。また、それに膨大な資金を注力する「東証」も、相変わらずどうしようもない。とはいえ、2015年のラストくらいは少し心地良く締めてほしいと願っている。

(12月24日 記、毎週土曜日9時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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