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【特集】PER“1ケタ”も多数、物色エネルギー充満の中小型株 <株探トップ特集>

●ファースト住の日足チャート 「株探」多機能チャートより

―16年10月期の好業績予想銘柄に照準―

 週明け21日の東京株式市場は、前週末の米株式市場でNYダウ平均株価が原油安を懸念して大幅安したことや、外国為替市場での円高・ドル安の進行を嫌気して、日経平均株価は、前週末比70円78銭安の1万8916円2銭と続落した。ただ、その一方で中小型株を中心に個別株物色のエネルギーは健在だ。そこで、発表が終了したばかりの10月期本決算企業で、16年10月期業績見通しが良好な個別銘柄に焦点を当てた。

●ファースト住建は利益率改善へ

 ファースト住 <8917> の16年10月期の単独業績予想は、売上高450億円(前期比1.5%増)、営業利益41億円(同14.4%増)、最終利益26億5000万円(同18.5%増)を見込む。

 同社は近畿圏を地盤に、木造の戸建て分譲住宅を主力に展開するが、収益性を考慮した分譲用地を積極的に確保し利益率の改善が進む見通しだ。戸建て分譲販売棟数は前期並みの1720棟を計画している。また、注文住宅の請負工事も強化を図り80棟(前期実績は66棟)の販売を目指す。PERは7倍台と割安。

●スリープロは子会社の寄与が追い風

 スリープロ <2375> [東証2]の16年10月期連結業績予想は、売上高120億円(前期比36.3%増)、営業利益は3億6000万円(同40.6%増)と大幅な増収増益を見込む。同社はITを軸とした営業支援を手掛ける。今年8月に子会社化した「WELLCOM IS」や同11月に子会社化した「アセットデザイン」が寄与する見通し。

 また、前期と同様に販売管理費の削減を進めるほか、ニーズの高いスマートフォン・タブレット端末向けのキッティング(パソコンなどの導入時に実施するセットアップ作業)業務およびITヘルプデスクへの営業強化など収益基盤の改善に取り組む方針を示している。

●ナトコは今期33%営業増益予想

 ナトコ <4627> [JQ]の16年10月期の連結業績予想は、売上高160億円(前期比7.3%増)、営業利益12億5000万円(同33.8%増)、純利益8億2000万円(同35.3%増)を見込む。

 同社は、塗料の中堅で、金属用、住宅建材用をはじめ、スマートフォン向け樹脂用にも展開している。独自性ある高機能性製品や環境対応型製品に加えて、中国やフィリピンでの生産安定化を通じて経営効率の向上も図っている。内装材用は上向き傾向にあり、主力の工作機械など金属用も拡大が続いている。PERは8倍台と割安。

●サーラ住宅は高付加価値化で優位性

 サーラ住宅 <1405> [東証2]の16年10月期の連結業績予想は、売上高は305億円(前期比4.3%増)、営業利益7億3000万円(同27.8%増)、純利益4億2000万円(同37.7%増)と大幅な増益を見込む。

 17年4月の消費税増税前の駆け込み需要による着工戸数の増加が予測され、受注環境の好転が期待されるとし、住宅事業では全館調湿換気システム搭載など住みごこちにこだわった高付加価値の商品・サービスを提供し優位性を確保する。PER8倍台、PBR0.5倍台と割安水準にある。

●ハイレックスは北米市場の拡大寄与

 ハイレックス <7279> [東証2]は、自動車向けなどを中心に遠隔操作用ケーブルを手掛ける自動車用コントロールケーブルでは世界の大手。

 自動車販売好調な北米向けで需要を取り込むほか、欧州では独大手自動車メーカー向けなどにドア開閉装置の需要を確保、16年10月期の連結業績は、売上高は2418億円(前期比1.1%増)、営業利益は207億5000万円(同19.4%増)、最終利益は139億3000万円(同3.7%増)と増収2ケタ営業増益を見込む。PERは9倍台と割安。

●ウイルコHDは新規顧客獲得に注力

 ウイルコHD <7831> [東証2]の16年10月期は、インライン加工技術を用い大ロット製造をしていた独自のシールブックやポップアップなどに加え、小ロット対応を可能にすることにより、新規クライアントの獲得や新市場の開拓を図り売上拡大を目指す。また、地域密着力を武器に、紙メディア、ITメディア、イベントなどのプロモーションを多角的に企画提案し、既存顧客の囲い込みなどを行い、利益の確保を図る方針。16年10月期の連結営業利益は4億円(前期比36.1%増)を見込んでいる。

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