【経済】「郵政上場から1ヵ月」(2) 雨宮京子氏に聞きました! <直撃Q&A>
雨宮京子氏
12月4日で郵政グループ3社のIPO(新規株式上場)から1ヵ月。日本郵政 <6178> とかんぽ生命 <7181> ゆうちょ銀 <7182> の3社の初値は公開価格を大幅に上回る好調なスタートを切り、その後も高い人気を堅持している。しかし、3社の株価の値動きには徐々に差も出始めている。果たして、今後の株価動向をどう見たらいいのか。経済ジャーナリストの雨宮京子氏に展望を聞いた。
●雨宮京子氏 (経済ジャーナリスト)
Q1 郵政3社のIPOから1ヵ月。いまの株価をどう評価しますか?
3社とも公開価格を大きく上回っており、最も時価が公開価格に近いゆうちょ銀行でも20%以上のパフォーマンスとなっている。したがって基本的に成功といって差し支えないと考えている。ただ、セカンダリーで参戦した人にすれば、かんぽ生命保険は上場時に人気が偏り株価の上昇が際立ったこともあって、キャピタルロスを被っている人もいる。しかし、3社とも12月29日にTOPIX組み入れが行われることで、それを見込んだ買いが予想され、ここからの上値の伸びシロは十分にある。
Q2 今後注目されるイベントや展開材料は?
やはり、海外でのM&Aに期待が大きい。“割安だが成長性に乏しい”というのが郵政3社に対する市場の評価だったと思われるが、事業買収により新たな成長の翼を得ることになれば話は変わってくる。また、日本郵政については全国に展開している“店舗網”が大きな財産であり、規制緩和などによる物品販売や投信などの金融商品販売でいかんなくその強みを発揮する可能性を内包している。
Q3 半年後、1年後の株価をどう予想しますか?
3社のなかで最も有望なのは、やはり日本郵政だと思う。上記のような展開材料に富んでおり、知名度からもNISAなどを使った株式経験の浅い投資家のニューマネーの受け皿として有力だ。ただ今後、機関投資家は郵政グループ間でペアトレード的な売買が中期的にも行われるのではないかと考えており、3社の株価パフォーマンスにそれほど大きな差はつかないのではないかと考えている。
(聞き手 中村潤一)
<プロフィール>
元カリスマ証券レディ。経済ジャーナリスト。AK企画代表。日興證券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオ日経)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスターなどを経て現在に至る。
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