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【経済】「郵政上場から1ヵ月」(1) 藤井知明氏に聞きました! <直撃Q&A>

藤井知明氏(高木証券企業調査部長)

 12月4日で郵政グループ3社のIPO(新規株式上場)から1ヵ月。日本郵政 <6178> とかんぽ生命 <7181> 、ゆうちょ銀 <7182> の3社の初値は公開価格を大幅に上回る好調なスタートを切り、その後も高い人気を維持している。しかし、3社の株価の値動きには徐々に差も出始めている。果たして、今後の株価動向をどう見たらいいのか。高木証券企業調査部長の藤井知明氏に展望を聞いた。

●藤井知明氏(高木証券企業調査部長)

Q1 郵政3社のIPOから1ヵ月。いまの株価をどう評価しますか?

 事前の予想には厳しい見方もあったが、堅調に推移している。NTT <9432> の時と同様に郵便局という馴染みのある会社で、初めて株式投資する投資家も少なくなく、長期保有が多いのだろう。通常のIPOと異なり、上場時は株主も国(財務大臣)の保有分のみで需給の不安要素は小さく、公開価格を大きく下回ることは考えにくかった。ここまでの展開に意外感はない。

Q2 今後注目されるイベントや展開材料は?

 日本郵政は、不動産絡みの展開の進捗に期待している。先月には「KITTE名古屋」が竣工したが、今後も不動産絡みの動向に注目したい。また、自社株買いの実施で金庫株を持つことになり、その株を活用したM&Aの動きなどが出てくれば面白いだろう。ゆうちょ銀 <7182> やかんぽ生命 <7181> は預入金額や加入限度額の引き上げなどの動きがあればプラスとなるだろう。

Q3 半年後、1年後の株価をどう予想しますか?

 今月末にはTOPIX組み入れが予定されているが、今後も新たに運用対象として組み入れる動きは出てくるだろう。3社とも、長期的にみて堅調な値動きが期待できると思う。そのなかでも、意外性のある話題が出てくるのは日本郵政かもしれない。M&Aや不動産事業での展開が見込めるほか、例えば高齢者向けの見守りサービスで買い物支援を行い、それを物流事業に結び付けるといった具合に様々な可能性が考えられる。

(聞き手 岡里英幸)

<プロフィール>
高木証券企業調査部長。1985年日栄証券(現SBI証券)入社。88年から企業調査業務を務める。その後、モーニングスターを経て14年高木証券に入社。現在に至る。

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