【特集】高橋春樹氏 【ショック安後の相場を読む】 (2) <相場観特集>
高橋春樹氏(三木証券 執行役員・商品本部長)
4日の東京株式市場は「ドラギショック」ともいうべき波乱相場展開となった。3日に行われた欧州中央銀行(ECB)理事会では追加金融緩和を決めたが、その内容は市場の期待に届かず、欧米株式市場が軒並み急落、その衝撃は東京市場にも波及した。日経平均株価は435円を超える大幅安で、にわかに年末高のシナリオにも暗雲が漂う。これをマーケット関係者はどうみているのか。年末年始に向けた相場見通しについて、高橋春樹氏(三木証券 執行役員・商品本部長)にずばり意見を聞いた。
●「数ヵ月以内に2万1500円が射程圏に」
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げがスタートしても、日本株は基本的にしっかりとした推移が予想される。今後も8月の下落局面の買い戻しも想定される。来年3月末など数ヵ月以内には、日経平均株価は2万1500円がターゲットとなりそうだ。
足もとは、2万円を回復したことによる戻り売りを意識して上値が重い状態にある。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策が市場の期待に比べて小規模だったとの見方から、4日の東京株式市場は大幅安となった。もし、これ以上調整した場合でも、日経平均株価は1万9200円水準が下値めどとなりそうだ。このところ日経平均株価の1株利益は上昇しており、2万円を回復した状態でも割高感はない。とりあえずは、2万500円回復が当面の目標となり、これを突破すると6月の年初来高値2万952円がターゲットになる。
物色対象は、これまで値動きの鈍かった大型株もじりじりと底上げが続いており、全方位な見方が必要だ。なかでも注目したいのは、超大型ではない業績好調な内需系の銘柄だ。
具体的には、東京五輪関連を中心に中期的にも広告需要拡大が追い風となる電通 <4324> 。クラウド関連など企業向けのウイルス対策ソフトの継続的な成長が見込めるトレンド <4704> に注目している。
(聞き手・冨田康夫)
<プロフィール>
1977年岡山大学法文学部卒業・第一證券入社。1999年第一證券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。
株探ニュース