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【経済】直撃Q&A 「日銀決定会合」(2) 【為替市場】関係者に聞きました!


「いまはカードを切る時期ではない」「追加緩和は来春? 来年もないかも」

 日本銀行は30日、日銀金融政策決定会合を開き、金融政策の現状維持を決定した。これを受け、為替相場は一時、120円20銭台の円高に振れた後、一転121円47銭の円安に振れるなど、激しい値動きとなった。今回の日銀決定会合を経て、今後の為替市場をどう見ればよいのか。外為オンライン・シニアアナリストの佐藤 正和氏とマネースクウェア・ジャパン・市場調査部シニアアナリストの山岸 永幸氏に聞いた。


●佐藤 正和氏(外為オンライン・シニアアナリスト)

Q1 今回の結果をどうみるか

佐藤> 日銀が注目している食品・エネルギーを除く物価上昇基調は続いており、ここで追加緩和に踏み切る理由は考えにくい。市場には追加金融緩和に向けた期待は強かったが、いまはそのカードを切る状況ではないということだろう。

Q2 日銀の追加緩和はいつか

佐藤> 年内はないとみている。しかし来年の春頃には追加緩和に踏み切る可能性はあると思う。来年は参院選もあり、政治的な面が影響するかもしれない。食品・エネルギーを除く物価は上昇しているが、原油価格の下落は続き、一般的には消費者物価は下落している。来年3、4月のどちらかの日銀金融政策決定会合で追加緩和を決めることはあり得ると思う。

Q3 今後の為替市場全般への影響は

佐藤> ドル高基調は強いと思う。米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げは見送られ、日銀決定会合で追加緩和はなかった。直接的なドル高要因はなかったのにドルの基調は強い。日銀の発表後、円安に振れた場面があったのは、株高に加え日米や欧州の金融政策の方向性の違いを表した動きだろう。今後1カ月程度のドル円のレンジは119~123円とみているが、上値を試すことはあり得ると思う。


●山岸 永幸氏(マネースクウェア・ジャパン・市場調査部シニアアナリスト)

Q1 今回の結果をどうみるか

山岸> 日銀の言うところの物価の基調や賃金や雇用情勢を踏まえれば、日銀にとって追加緩和に踏み切る理由は見当たらなかった。日銀は物価目標の2%の達成時期を半年先送りした。それでも、追加緩和に踏み切らなかった。今回の日銀会合で感じたことは、追加緩和に向けたハードルはかなり高まったということだ。

Q2 日銀の追加緩和はいつか
山岸> 年内はないだろう。現在の状況がよほど大きく変わらない限り、追加緩和は来年もないように思える。米国が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切れば、ドル高・円安基調が続き、日銀にとっては援護射撃になり、いまの金融政策を継続しやすくなるだろう。

Q3 今後の為替市場全般への影響は
山岸> 当面はレンジ相場が続くとみている。経済指標が悪化して、再度、大きく追加緩和観測が膨らむなどの要因があれば、123円後半のドル高・円安も見込めないわけではないが、12月に向けては118円50~122円手前ぐらいの横ばい基調を予想している。

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