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【特集】底上げ加速で出番到来の「割安株」リスト <株探トップ特集>


-好業績・低PBR・低PERに照準-

 26日の東京株式市場は、前週末23日に中国人民銀行が追加金融緩和に踏み切り、中国景気の減速傾向に歯止めが掛かるとの見方などから続伸となった。日経平均株価は一時、約2ヵ月ぶりに1万9000円台を回復するなど、ほぼ全面高商状のなかで底上げも加速してきた。今後は業績や株価指標面から見て、割安な銘柄に出番が到来しそうだ。

●好業績・低PBR・低PERに照準

 主力銘柄を中心として全般に底上げ機運が高まるなか、中小型で好業績見通しながら割安水準にある銘柄群に注目が集まりそうだ。そこで、今期大幅営業増益(増益率10%以上)見通しで、さらにPBR(0.5倍台以下)やPER(15倍台以下)面で割安が際立つ銘柄を選択して焦点を当てた。

●大同工は海外展開で成長

 大同工 <6373> は、二輪車用チェーンの製造販売で国内シェアトップを占め、四輪用でも北米市場を中心にして海外で攻勢をかけている。16年3月期の連結営業利益を24億円(前期比12.9%増)と見込んでいる。

 国内では、二輪車用チェーンで完成車メーカーの受注を中心に順調に推移。アジアは、二輪車用チェーンで、昨年一貫生産を開始したインドで着実に受注が増加している。また、四輪車用チェーンはタイ、インドネシアを中心に受注が順調であることに加え、円安の追い風もあり、好調な推移となっている。

 大同工の北米は、四輪車用チェーンで、組立生産工場の本格稼動に伴う完成車メーカーへの量産納入を昨年後半から開始。産業用チェーンも、景気回復に伴い受注が順調に推移していることにより、売上高は前年同期を上回る見通し。

●ハリマ化成G、FDA対応の新製品

 ハリマ化成G <4410> は、松から得られるロジン(松やに)、脂肪酸、テレピン油などを使って化学素材をつくる化学メーカー。16年3月期の連結営業利益17億円(前期比74.7%増)を見込む。自動車タイヤ用合成ゴムの製造に使用される乳化剤が好調に推移し、機能性塗工剤などの新製品はタッチパネルなどに用いられる光学フィルム用表面塗工剤なども増加している。

 また、同社は米国食品医薬局(FDA)に対応した新規製紙用薬品の開発に成功している。この商品は、パルプを抄紙する工程でサイズ性(紙の吸水性をコントロールしインキのにじみを防ぐほか、印刷に適応した機能を発現)を付与する薬品。食品などに直接触れる用途については、FDAが化学物質の製品からの溶出について厳しく規定しており、承認を得たことで需要拡大が見込めそうだ。

●堺化学は電子材料向けを積極化

 堺化学 <4078> は、酸化チタン大手で、電子材料にも展開。16年3月期の連結営業利益は46億円(前期比10.4%増)を見込む。

 原料安に伴う酸化チタンの採算改善が寄与する。電子材料向けでは、IT関連向け高機能バリウムや誘電体材料などが堅調に推移。また、下期以降にはインドネシアの紙おむつ材料の生産が軌道に乗るのに加え、X線造影剤でも東南アジア地域での需要開拓を積極化する。

●イノテック、半導体設計関連が好調

 イノテック <9880> は、半導体設計ツールと電子部品を手掛ける。同社は16年3月期の連結営業利益を8億円(前期比10.7%増)と見込んでいる。

 設計開発ソリューションでは、高付加価値商品およびサービスの提供などにより、主力商品の半導体設計用ソフトウエアは、長期契約の更新や既存顧客の需要増により堅調に推移している。ハードディスク・デバイス部門では、OA市場での受注回復やファンドリービジネス(半導体チップの製造を専門に行う企業)の拡大などにより売上高は順調な増加をみせている。

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