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【通貨】石川久美子【外国為替】秋の相場観特集_04 /米経済指標など注視、12月利上げで天井の可能性も

石川久美子氏
外為どっとコム総合研究所・研究員 石川久美子氏

 当面のドル円相場は米国経済指標と要人発言などを注視していく展開となりそうだ。

 米9月雇用統計などの経済指標をみても10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げはないだろう。

 ただ、中立派であるウィリアムズ・米サンフランシスコ連銀総裁が「年内の利上げが適切」とのスタンスを示すなど12月利上げの可能性は残っている。実際の12月利上げがあるかどうかを探っていく展開となるとみている。

 もし12月利上げが実施される方向となっても、投資家の心理的耐性はついており、利上げ自体はサプライズにはならない。利上げの実施がドル円相場の当面の天井となる可能性もあるだろう。その後、16年の利上げのペースは経済データーの結果次第となると思う。

 日銀の追加緩和は10月では株価の急落などがない限り、実施されないのではないか。12月の年内まで視野に入れた場合も、追加緩和があるかどうかは微妙だろう。

 こうした中、今後3カ月程度のドル円相場のレンジは1ドル=115円~125円50銭前後を想定している。基調はドル高・円安が優勢だとみている。

 米国の利上げがあってもなくても125円50銭前後が上値のメド。株価急落があれば110円前後への下落もあり得るが、その場合、日銀の追加緩和期待が膨らみ、下値を支えることになるだろう。

 ユーロは、下落基調だとみている。ユーロには欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測もあり売られやすい状況にある。ユーロドルの想定レンジは1ユーロ=1.08~1.17ドルを見込んでいる。

<プロフィール>

千葉大学法経学部総合政策学科卒業。商品市況研究所(商品先物専門紙「日刊デリバティブジャパン」他発行)の貴金属および外国為替相場担当の編集記者として、新聞や雑誌、ラジオ等で活躍する。2009年6月から現職。相場分析・レポート執筆の他、セミナー講師や、同社オンライン TVのキャスターやコメンテイターなども務める。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【秋の相場観】特集より

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