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9702 アイ・エス・ビー

東証P
1,429円
前日比
-5
-0.35%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.1 1.34 3.22 56.17
時価総額 163億円
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アイエスビー Research Memo(4):16/12期は下方修正で着地も実態的には収益力向上の基礎固めが大きく進展


■業績動向

1. 2016年12月期決算の概要
アイ・エス・ビー<9702>の2016年12月期決算は、売上高13,395百万円(前期比4.5%増)、営業利益302百万円(同24.2%減)、経常利益325百万円(同23.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益175百万円(同3.3%減)と増収減益での着地となった。

同社の業績は第3四半期決算までは増収増益決算となり、順調に進捗しているとみられていたが、期末決算に際して期初予想から下方修正し、今回の増収減益決算となった。次代の成長分野と位置付けて開発・事業化を進めてきた新事業の一部について、固定資産の償却や貸倒引当金の計上を行ったこと、及び想定外のM&Aで関連費用が生じたことが利益を圧迫し、下方修正につながった。

ソフトウェア開発を中心とする既存事業は堅調に推移した。組込み分野は家電、AV、車載分野向けに大幅増収となった。情報サービス、フィールドサービスの両分野も前期比増収を確保した。金融分野は、需要は旺盛だったものの、業界全体を覆う人手不足の影響で技術者を確保できず、潜在需要を売上げにつなげられずに減収となった。

一方新事業は、訪問看護向けモバイルサービス「caretive」の黒字化や、モバイル端末一括管理サービス(MDM)の売上高が100百万円を超える等の計画どおりの成果を達成できた事業があるものの、医療機関向けレセプトチェックの「ファインレセプト」など計画を大きく下回った事業のマイナスインパクトが大きく、新事業全体では計画を大きく下回り、全社ベースでも売上高が期初予想を下回る原因となった。

利益面では、ファインレセプト関連の固定資産を全額償却したが、既存事業におけるプロジェクト管理強化による収益性改善の効果で、売上総利益は前期比増益となった。しかし、販管費においてファインレセプトの共同開発企業への貸付金について65百万円の貸倒引当金を計上したことや、計画外のM&A関連費用を計上したことで費用が膨らみ、営業利益は期初予想を117百万円(27.9%)、前期実績を96百万円(24.2%)、それぞれ下回る結果となった。

弊社では2016年12月期について、実態的には良好な年度であったと評価している。決算数値は期初予想に対して未達に終わったが、その原因は明確であり、内容的には次期以降に引きずらないものだ。ファインレセプトに関連する費用は約140百万円とみられるが、この点を考慮すれば、2016年12月期の営業利益は期初計画の420百万円を達成することは十分に可能だった。分野別に見ると、根強いソフト開発需要に支えられて、堅調な業績推移となった分野が多かった。M&Aにより新事業の核に成り得る事業を獲得でき、2017年12月期の業績拡大に期待が高まる基礎が築けた年度だったと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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