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9414 日本BS放送

東証S
905円
前日比
-1
-0.11%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.2 0.71 3.31 410
時価総額 161億円
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BS11 Research Memo(1):コンテンツ拡充による、非放送分野等へのマルチな展開が加速


■要約

日本BS放送<9414>は、無料のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)」を運営する独立系のBS放送局である。キー局系列に属さない独立系であることに加えて、無料放送という2つの特徴を持つ。独立系ならではの強みを生かし、全国のテレビ局及び制作会社との自由なコンテンツ制作・展開を実現している。

1. 2023年8月期の業績概要
2023年8月期連結業績は売上高が12,417百万円(前期比1.4%増)、営業利益1,983百万円(同17.2%減)、経常利益2,015百万円(同15.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,386百万円(同13.3%減)となった。計画値(売上高12,500百万円、営業利益1,810百万円、経常利益1,810百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,255百万円)に対して売上高は若干下回ったが、各利益は上回って着地した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)において伸長していた通販スポットが一服したためスポット収入が前期比減少した一方で、開局15周年特別番組等のセールスへ注力し、アニメ・配信ビジネス・イベント等の非放送分野の強化による収益拡大により、タイム収入及びその他事業収入では前期比増となった。利益面では、開局15周年特別番組、配信オリジナルコンテンツ等の制作費用、ドラマコンテンツ等の購入費用、スタジオ設備の更新に伴う償却負担等が増加し、各利益とも前期比で減少した。

2. 2024年8月期の業績見通し
2024年8月期の連結業績予想については、売上高12,600百万円(前期比1.5%増)、営業利益1,910百万円(同3.7%減)、経常利益1,910百万円(同5.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,318百万円(同4.9%減)としている。売上高は増収、各利益は減益と慎重な計画に映るが、2023年8月期において投資したスタジオ設備の償却負担が通期で生じること、前期並みの特別番組(以下、特番)や他局とのコラボレーション番組等の制作、アニメ・配信ビジネス等の非放送分野やマルチ展開可能なコンテンツ開発への投資を進めるため、保守的に判断しているところがあるだろう。もっとも、同社は計画に対しておおむね超過実績を示す傾向にあるうえ、見込んでいるのは1桁台の減益であることからも、あくまで確度の高い最低ラインの計画であると弊社では考えている。

3. ファンのニーズを幅広く捉えたコンテンツのマルチユースの取り組みを評価
同社は見逃し配信「BS11オンデマンド」を、人気番組のアーカイブやオリジナルコンテンツ、ライブ配信等を視聴できる会員登録制視聴サイト「BS11+(プラス)」へ2022年7月にリニューアルし、一部コンテンツの有料配信もできるプラットフォームとして整備した。さらに2023年3月には、「すべての月額見放題プラン」(税込880円)と「ジャンルごと見放題プラン」(税込550円)の2つの課金プランを「見放題プラン」に統一し、価格も税込880円から税込550円へと引き下げた。これにより、無料トライアル期間からのスムーズな会員移行が促され、会員数は順調に増加しているようだ。また、配信プラットフォームの拡充として、「BS11」公式YouTubeチャンネル、FOD、U-NEXT等に加えて、2023年5月よりTVerでの見逃し配信を開始した。このほかにも番組関連グッズ等が購入できる「BS11」公式通販サイト「BS11SHOP」を開設、こうした取り組みがBS11のファン増加につながることが期待される。

■Key Points
・コンテンツのマルチユース等による非放送分野への展開を加速
・2024年8月期はタイム収入の増加とその他事業収入の強化を図る
・重点施策を新たに「Value 3」として推進
・配当性向40%程度を基準とした配当方針に変更
・IR活動について情報開示に係る体制や手段のさらなる整備

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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