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宇徳 Research Memo(6):2017年3月期の業績は、全体はほぼ予想どおりだが、事業別で差異が出る


■業績動向

1. 2017年3月期の業績
(1) 業績概要
宇徳<9358>の2017年3月期の業績は、営業収入が前期比7.6%増の51,041百万円、営業利益が同1.2%減の2,912百万円、経常利益が同1.7%減の3,057百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.8%増の2,276百万円となった。計画比では、営業収入が3.3%増、営業利益は見合い、経常利益は1.4%減とほぼ予想並みとなった。当期純利益の伸びは、固定資産売却益357百万円が特別利益に計上されたことによる。

(2) 事業別動向
a) 港湾事業
港湾事業の営業収入は23,419百万円、前期比3,331百万円、16.6%の増加となった。コンテナ貨物の取扱量は、東京港で前期比13.5%増、横浜港も同8.2%増と好調に推移した。衣料品関係の大手顧客が貢献した。車両の取扱は、北米向けが好調で、同13.8%伸びた。建設機械の取扱量は、一部回復の兆しがあったものの低位にとどまった。事業全体では、コンテナ貨物の取扱量増加の影響が大きく作用し、経常利益は2,146百万円と前期比41.4%増、計画比でも30.9%(507百万円)増加した。

b) プラント・物流事業
プラント・物流事業は、収益面で港湾事業と明暗を分けた。営業収入は27,123百万円、前期比・計画比とも0.8%増とほぼ横ばいであった。2016年10月よりJEXの一部事業を譲受しており、当下期に約20億円の寄与があった。その要因を除くと、約5%強の減収となる。同事業の経常利益は、806百万円と前期比46.5%減、計画比でも41.8%減と大きく落ち込んだ。

プラント事業は、電力関係が低迷した。海外事業も、振るわなかった。タイ子会社は、国内景気が悪く、受注が低迷した。2016年3月期に不採算大型工事の終了に伴い人員整理を行っている。主要拠点のシンガポールでは、石油化学プラント工事の需要が冷え込んだままであった。

JEXは、事業譲受に伴う顧客の流出防止に力点を置いたため、相乗効果を狙った営業活動に至らず、のれん償却もあり、利益への貢献はなかった。大幅減益の要因の一つは、町田の内陸物流倉庫における新規案件での苦戦にある。コスト削減努力による改善はみられたものの、倉庫スペースが全て埋まっていない事もあり、損失を計上した。

2. 財務状況
(1) 連結貸借対照表
2017年3月期末の総資産は、38,950百万円と前期末比2,591百万円増加した。流動資産は、受取手形及び営業未収入金、関連会社短期貸付金、その他流動資産が増え、1,805百万円増加した。事業譲受に関連してのれんが504百万円、借地権が201百万円増えたことから、固定資産は787百万円増加した。負債の755百万円の増加は、内訳が支払手形及び営業未払金267百万円、短期借入金190百万円、未払法人税等が282百万円であった。有利子負債は737百万円と161百万円の増加にとどまり、D/Eレシオは0.04倍の低水準にある。自己資本比率は、ほぼ前期並みの71.8%と財務の健全性は極めて高い。

(2) 連結キャッシュ・フロー計算書
現金及び現金同等物の当期末残高は、前期比21百万円増の2,839百万円であった。営業活動により得られた資金(3,474百万円)が投資活動及び財務活動による支出をカバーした。設備投資(1,311百万円)は、減価償却費(1,489百万円)の範囲内であった。事業譲受の支出が1,500百万円、のれん償却額(半期分)は47百万円が計上された。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《NB》

 提供:フィスコ

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