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9119 飯野海運

東証P
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前日比
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PTS
1,220円
17:25 04/26
業績
単位
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7.2 1.04 4.25 3.05
時価総額 1,332億円
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決算発表予定日

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飯野海運 Research Memo(7):バランス経営の推進と先進性への挑戦


■飯野海運<9119>の今後の見通し・中長期成長戦略

1. 前中期経営計画の施策を着実に実行して自己資本比率が改善
2014年4月-2017年3月の前中期経営計画「STEP FORWARD 2020」の総括としては、海運業におけるドライバルクキャリア市況の歴史的低迷や、船腹供給圧力によるケミカルタンカーの市況軟化、さらに不動産業における西新橋一丁目再開発事業に伴う稼働減少などで、2015年3月期-2017年3月期累計の営業利益が227億円にとどまり、計画の254億円に届かなかった。

しかし一方では、船腹調達の多様化や、中・長期契約の安定収益の着実な積み上げに加えて、ドライバルクキャリアの構造改革による船隊規模適正化、ケミカル船隊一時縮小による市況影響の低減、不動産収益の柱となる再開発プロジェクトの進捗管理などの施策を実行した。結果として2017年3月期末の自己資本比率は大幅改善した。

2. 創立125周年(2024年)に向けた新中期経営計画を策定
そして、創立125周年(2024年)に向けて、2017年4月-2020年3月の新中期経営計画「Be Unique and Innovative」を策定した。海運業と不動産業を両輪とする成長シナリオに変化はなく、テーマを「バランス経営の推進と先進性への挑戦」(海運業と不動産業の両輪バランス、安定収益と次世代ビジネス、バランスの良い成長目標数値)として、重点強化策には「更なる差別化の追求」「安定収益の磐石化」「次世代ビジネスへの挑戦」を掲げた。

「更なる差別化の追求」に向けて、海運業では多様化するニーズへの対応や世界展開の加速、不動産業ではターゲットエリア戦略の深化を推進する。そして海運市況の不確実性に対処するため、「安定収益の磐石化」として不動産業では既存ビルの安定稼働やターゲットエリア内への資産集約、海運業では中・長期契約による収益の安定化を推進する。また「次世代ビジネスへの挑戦」では新エネルギー関連ビジネスの研究、有望なニッチ市場への進出、次世代オフィスビルの研究を推進する。

具体的な取り組みとしては、ケミカルタンカー事業では米州への定期配船によるシェール由来カーゴの取り込み、世界同一品質のサービス提供、中東における市場シェアの維持・拡大、継続的な船隊整備を行う。オイルタンカー及びガスキャリア事業では外航・内航LNGなど新規契約の獲得、シェール革命による物流変化への対応、多様なガスカーゴ輸送への対応、高品質船舶管理継続と優位性確保に主力する。バルクキャリア事業では中・短期用船を活用した最適船隊の構築、電力炭・木材チップ等の専用船による安定収益の積み上げ、中東関連カーゴの拡充、配船航路の多様化をはかる。そして不動産業事業では長期的視野に基づいたターゲットエリア戦略への継続取り組み、高品質ビル管理の提供、リーシング体制の強化、西新橋一丁目再開発プロジェクトのコスト管理徹底を推進する方針だ。

3. 新中期経営計画で2020年3月期の純利益74億円目指す
海運業の前提として為替は1米ドル=110円、燃料油価格は370米ドル/MTでほぼ横ばい推移、ドライバルクキャリア市況は市況回復を見込んでいる。

収益性(営業利益の拡大、事業活動キャッシュ利益の拡大、持続的な成長)、効率性(保有資産の効率性、資産調達方法の多様化、資産の入れ替え)、健全性(自己資本の積み上げ、投資バランスの重視)のバランスを取りながら成長を目指す。そして最終年度の2020年3月期の目標値として営業利益90億円、経常利益78億円、親会社株主に帰属する当期純利益74億円、純資産825億円、ROE約9%などを掲げた。なお、創立125周年となる2024年の「ありたき姿」として純資産1,000億円超を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

《HN》

 提供:フィスコ

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