FJネクスト Research Memo(4):首都圏の賃貸需要拡大に加え資産運用手段としての魅力が後押し
■FJネクスト<8935>の業界環境
(1)販売環境
首都圏投資用マンションの供給戸数は、1990年代後半から2000年代前半にかけて順調に拡大したものの、2008年に地価の高騰やリーマン・ショックの影響等により事業者の倒産や撤退が相次いだことから減少傾向をたどった。ただ、2010年に底を打つと、ここ数年は単身世帯数の増加や人口の都心回帰などを背景とした首都圏の賃貸需要の拡大、並びに低金利の継続や将来の年金受給の不安のほか、相続税対策(基礎控除の引下げ等)という新たなニーズも出てきており、個人からの底堅い購入需要に支えられて堅調に推移している。将来に向けた資産運用手段として、株式や投資信託、債券等と比べ、節税効果や保険機能が期待できるほか、キャッシュフローが安定していることや実物資産投資への安心感も背景として考えられる。
(2)仕入開発環境
一方、仕入開発面では、土地仕入価格及び建築費の高騰が続いていることから、収益性の見極めが一層重要となっており、土地仕入の結果が業績を左右する可能性が高まっている。同社は、信用力、財務力、豊富な情報力を生かした的確な仕入活動を行っていく方針としている。
(3)競合環境
同業者は投資用マンションの専業業者がほとんどであり、比較的規模が小さいところが多い業界構造となっているなかで、同社は、首都圏投資用マンション供給戸数ランキングでトップクラスの販売実績を誇っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
《HN》
提供:フィスコ