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8439 東京センチュリー

東証P
1,503.5円
前日比
-11.0
-0.73%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.5 0.81 3.33 6.24
時価総額 7,399億円
決算発表予定日

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TC-Leas Research Memo(6):「高収益ビジネスモデル」への変革を推進し更なる持続的成長の礎を築く


■成長戦略と進捗

(1)前(第二次)中期経営計画の総括

東京センチュリーリース<8439>は前期(2016年3月期)を最終年度とする第二次中期経営計画を推進してきた。「真の総合ファイナンス・サービス企業を目指し、更なる変革と持続的成長を実現する。」を基本方針に掲げ、得意分野である情報通信機器やオートリースの更なる強化を図るとともに、航空機や不動産、太陽光発電など、収益性の高い成長期待分野へ事業領域の拡大を図ってきた。

その結果、経営目標に対しては、自己資本比率が9.6%(目標は10%)とわずかに届かなかったものの、経常利益は680億円(目標500億円以上)、営業資産は2兆9,911億円(目標2兆6,000億円)と計画を大幅に上回る実績を挙げることができた。

特に、注力分野である「船舶・航空機」の営業資産残高は、航空機リース世界第4位の米国CIT社との合弁事業により3年間で約3.3倍に拡大し、「環境・エネルギー」も京セラとの太陽光発電事業により約4.7倍と大きく伸びている。また、「国内オート事業分野」についても、日本カーソリューションズおよびニッポンレンタカーサービスの連結化などにより3年間で約3.6倍に拡大している。これらの営業資産残高の伸長からも、同社の成長戦略が順調に進展し、増益に結び付けていることは大いに評価することができる。

(2)新(第三次)中期経営計画の概要

同社は2017年3月期を初年度とする第三次中期経営計画を公表した。基本方針は「資産効率を重視した『高収益ビジネスモデル』への変革を推進し、更なる持続的成長の礎を築く」というものである。第一次および第二次中期経営計画との決定的な違いは、どちらかと言えば量的拡大に重きを置いてきたところから、資産効率の向上に向けて舵を切ったところにある。単純な資金の貸し手としてのリース業から脱却し、自ら事業主体となる事業性ビジネスの拡大など採算性の高い資産を積み上げるモデルへの転換を目指すものである。また、社名から「リース」を外し、「東京センチュリー」へと社名変更することも決定(2016年10月1日変更予定)し、名実ともに「金融・サービス企業」として持続的成長を目指す構えである。

最終年度である2019年3月期の目標値として、経常利益800億円以上、ROA(経常利益/営業資産残高)2.3%以上、自己資本比率11%を掲げている。これまで目標としてきた営業資産残高については、あえて目標値に置いていないところに方向性の転換を見出すことができる。国内リース事業分野の営業資産残高は横ばい推移を見込むものの、スペシャルティ事業分野は、航空機ビジネスや太陽光発電などの付加価値の高い分野で営業資産残高の拡大およびROAの向上を図る方針である。また、成長余地の大きいオートリースやレンタカーにも積極的に取り組み、経営目標を達成する考えである。なお、グローバル資産残高は航空機ビジネスの伸長や海外ネットワークの活用により全体の30%程度にまで拡大する見込みである。

弊社では、同社がみずほグループの顧客基盤・有利な資金調達環境を有している他、みずほフィナンシャルグループの持株比率が低いため、経営自由度の高い事業環境を活用できる点が大きなアドバンテージと見ている。

このような有利な事業環境を活かし、スペシャルティ事業分野など収益性の高い事業領域を拡大した同社戦略の方向性は極めて合理性が高いものと評価している。

今後も、リースの枠にとらわれず、同社ならではの革新性や専門性を活かした新たな価値創造(ファイナンスと事業の融合など)が更なる成長ステージを目指すためのカギを握るとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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