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8424 芙蓉総合リース

東証P
13,125円
前日比
-695
-5.03%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.8 0.91 3.43 8.40
時価総額 3,975億円
決算発表予定日

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芙蓉リース Research Memo(5):2022年3月期は過去最高益を更新。中期経営計画も全項目で超過達成(2)


■芙蓉総合リース<8424>の決算動向

4. 各戦略分野における実績(前中期経営計画)
(1) 不動産
2022年3月期末の「営業資産残高」は6,449億円と5年間で約2.7倍に拡大し、増額修正目標(5,300億円)を大きく上回った。ユーザーやアライアンス先などのディールソースの多様化が進んだほか、資産回転ビジネスの高度化により収益性も向上し、業績全体の伸びをけん引した。

(2) エネルギー・環境
2022年3月期末の「再エネ発電容量」は308MWdc(自社グループ事業とエクイティ投資持分の合計)と5年間で約3.6倍に拡大し、目標値(200MWdc)を大きく上回った。特にアライアンス先との共同投資により、「ファイナンス」から「事業」への転換を進めたほか、太陽光・風力を中心とする海外展開も強化してきた。また、PPAサービスや蓄電池ビジネスなど、ポストFIT時代を見据えた新たなサービスにも取り組んだ。

(3) 航空機
2022年3月期末の「自社保有機体数」は44機と5年間で約2.3倍に拡大した。コロナ禍の影響を含め、厳しい市場環境※が続くなかで、良質な案件(エアライン・機種)を選別した着実な積み上げを推進するとともに、若齢機・ナローボディを中心とした健全な機体ポートフォリオを維持してきた。また、パーツアウトビジネスなど周辺事業の拡大を進め、航空機ビジネスにおけるバリューチェーン構築に着手した。

※ただし、ロシア向け航空機リース契約はないもよう。


(4) 海外
2022年3月期末の「営業資産残高」は966億円と5年間で約1.1倍に拡大した。インオーガニック戦略を進め、北米を中心に収益基盤を拡充した一方、シンガポール・台湾・タイに拠点を開設し、強みである戦略分野(不動産、エネルギー環境)を中心とした事業展開を加速してきた。

(5) 医療・福祉
2022年3月期末の「FPSメディカル残高」は233億円と5年間で約7.5倍に大きく拡大した。「芙蓉リースプラットフォーム構想」に基づくサービス提供体制の拡充を推進し、その一環として、グループの医療・福祉分野の製品・サービスを一元的に提供可能なグループ共通のWebサイトの開設などを進めてきた。また、アクリーティブのFPSメディカルは地域金融機関との連携が拡大し、診療・介護報酬等のファクタリングが大きく伸びてきた。

(6) BPO(新領域)
新領域として注力しているBPOについては、中核会社(アクリーティブ、インボイス、NOC)の経常利益合計(のれん償却前)は58億円(2022年3月期)に上り、新たな収益の柱に成長してきた。特に、積極的な機能強化によるサービス提供体制の構築※を進め、「人手不足」や「働き改革」への対応など企業の抱える経営課題のソリューションとして、拡大するマーケットでの事業展開を加速してきた。

※2021年6月にNTTコミュニケーションズ(株)との協働により、経理部門の完全テレワーク化をサポートするサービスを開始したほか、2021年10月にはクラウド・パッケージを中心としたITソリューションを提供するWorkVisionを連結化し、BPOメニューの拡充に加え、ICTソリューション機能の強化を図った。


(7) モビリティビジネス(新領域)
もう1つの新領域であるモビリティビジネスについても、2022年3月期末の「営業資産残高」は1,641億円と5年間で約1.7倍に拡大した。2020年4月に実施したヤマトリース子会社化などを通して、オートリース事業を「モビリティビジネス」として再定義するとともに、アライアンス先との連携によりEV領域におけるサービス強化を推進し、次期中計に向けた足がかりを築いた。

5. 2022年3月期の総括
以上から、2022年3月期を総括すると、期初予想を大きく上回るとともに、中期経営計画も超過達成した業績面はもちろん、戦略面においても、中期経営計画の最終年度として、戦略分野の拡大や新領域への挑戦に取り組み、事業構造の変革を進めたところは、今後に向けても大きな成果を残したと評価できる。特に、リース業界における環境変化が進むなかで、他社との連携を含め、主体的に同社主導の事業を創出し、収益性の高い資産への入れ替えを図ってきたところや、BPOやICT分野、並びにEV・FCVを見据えたモビリティ分野など、成長性の見込める新領域を強化し、新たなビジネスモデルの構築を進めたところは、次の中期経営計画においてさらなる発展を目指すうえでも、評価すべきポイントと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《EY》

 提供:フィスコ

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