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8038 東都水産

東証S
6,030円
前日比
-470
-7.23%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.8 0.91 2.24
時価総額 243億円
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決算発表予定日

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東都水産 Research Memo(5):あらゆる水産物を国内のみならず世界各地から集荷し安定供給する


■事業概要

1. 事業内容
同社グループは、東都水産<8038>と子会社11社、関連会社1社で構成される。主要事業は卸売市場で生鮮・加工水産物の受託・買付販売を行う水産物卸売事業で、関連する事業として冷蔵倉庫業及びその関連事業(水産物の製造加工含む)、不動産賃貸事業を行っている。2017年3月期の売上高構成比は水産物卸売事業91.4%、冷蔵倉庫業及びその関連事業8.1%、不動産賃貸事業0.5%で、営業利益の構成比はそれぞれ24.6%、59.2%、16.2%、営業利益率はそれぞれ0.3%、8.2%、35.1%となっている。祖業で社会性は高いが収益性の低い水産物卸売事業に対し、採算の良い関連事業によって利益のポートフォリオバランスを取っているということができる。

同社の水産物卸売事業は大きく大物部、鮮魚部など5つに分けられる。大物部は、最高級といわれる本マグロを始め多種のマグロを集荷・販売している。生鮮マグロは鮮度が保たれた状態で、冷凍マグロは船内で瞬時に冷凍された状態で国内外から入荷する。主な取扱品は本マグロ、インドマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、カジキマグロなど生鮮・冷凍マグロ全般である。

鮮魚部は日本近海や世界各国から集荷された鮮魚・養殖魚などを扱っている。取り扱う魚種は多岐にわたり、近年では技術の発達により良質な養殖魚が増えている。また、鮮度保持が命で、多彩な魚種を手際良く扱う技術とノウハウが必要である。主な取扱品は鮮魚でタイ、ヒラメ、アジ、サバ、イカ、イワシ、タコ、カツオ、ブリ、キンメ、秋鮭、ワラサ、サワラ、カレイ、サンマ、カニ、タラなど、養殖魚でタイ、ハマチ、カンパチ、サーモン、ヒラメなどである。

特種部で扱う水産物は、寿司屋や料理屋のケースに並ぶウニやアワビ、活魚など業務用高級魚がメインである。このため熟練した目利きと商品知識が要求される。グルメブームによる需要の増加に伴い急拡大している分野で、海外からの輸入も増加している。主な取扱品のうち業務用高級魚介類はフグ、タイ、ヒラメ、ウニ、エビ、カニなど、貝類はカキ、アワビ、平貝、ミル貝、赤貝、北寄貝など、活魚はタイ、ヒラメ、カンパチ、ハマチなどである。

加工品部では幅広い種類の干物・練製品・合物を扱っている。品種は、鮮魚と加工品の間に位置するサンマやアジの開きなど合物、シラス・煮干しなどの干魚、かまぼこ・おでん種などの練物、ウナギの蒲焼などと多種にわたり、このためすべての商品に対応できる知識と柔軟な営業スタイルが必要となる。主な取扱品のうち加工品はかまぼこ、ちくわ、惣菜など、合物はウナギ、干物(アジ、サンマ、カマス、イカ、サバ)など、干魚はシラス、煮干し、干スルメ、ワカメ、シシャモなどである。

冷凍塩魚部では冷凍品から伝統的な塩蔵品まで扱っており、多種多様の魚卵類や魚介類を集荷し販売している。発達した冷凍技術を駆使することで、日本近海のみならず世界各地に広がった産地から安定供給することも可能になった。主な取扱品は、冷凍品がサケ、マス、ギンダラ、赤魚、サバ、エビ、カニ、イカ、タコなど、塩蔵品がサケ、マス、身欠きニシン、数の子、イクラ、タラコ、筋子などである。

ほかに、海外事業部では世界の漁場で目利きした本物の味を輸入する一方、世界に広がる寿司ブームなど魚ビジネスに向けて輸出を行っている。販売促進室は、スーパーや水産物専門の量販店などへの季節や旬に合わせた商品供給とプロモーション、テレビショッピングなどの通販会社への商品供給も行っている(2017年4月に加工品部に統合されたが業務内容は変わらない)。東京冷凍工場は築地市場内にあり、生鮮魚、冷凍魚、塩干、加工品の鮮度保持という重要な役割を担うほか、製氷事業は市場全体に対する氷の供給拠点にもなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《MH》

 提供:フィスコ

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