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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 燃え盛る米年末商戦、一進一退で回復へ向かう日本株

株式アドバイザー 北浜流一郎

「燃え盛る米年末商戦、一進一退で回復へ向かう日本株」

●“方向感なき”相場が内包する上昇ベクトル

 個別銘柄の場合、急落したらV字型に回復してほしい。こう願って当然ながら、日経平均株価になると少々見方が異なってくる。

 気持ちの上ではやはりV字型の回復を願うものの、実際は小刻みなそれの方がよい。つまり、一気に上昇するのではなく、時々押しを入れながら上昇していく。この形だ。

 中長期投資で成果を上げるには、上昇トレンドが長期にキープされる。これが必要となるため、急騰したのはよいが、すぐに急落してしまうようでは好ましくない。

 この観点から日経平均の現状を見ると、11月16日に25日移動平均線まで下げて2万1972円で反発、その後17日には2万2757円まで戻ってまた小反落。そこから少し戻しまた反落。そして、週末も一時は142円安をつけて引けは27円高。こんな展開になったのだが、この動きは方向感がないように見えて実は方向感がある。

 16日の2万1972円を底に一進一退を繰り返しながら戻りつつある。こう見られるからだ。

 背景にあるのは、もちろん、米国経済の堅調な成長。この原稿を書いている時点ではまだ結果がどうなるか明確ではないものの、ブラックフライデー商戦も好調だろう。

 消費者たちは失業率が史上最低レベルに低下していること、株高が9年も続いて可処分所得が増えたことなどから、今年もあれこれとガンガン買い込むと見てよいからだ。

●年末商戦の活躍期待株に先回り

 そもそもまだ12月に入っていないのに、年末商戦 がもう本格的に始まるのだ。日本でもブラックフライデーを商機にしようと、イオンや一部の百貨店などが意気込んでいたが、正直、年末商戦に入ったという気はまだしない。

 この点、米国の消費者たちはもう本気モードであり、米国市場も年末にかけてその熱気にあおられた形になるだろう。自動車やiPhoneX、家電製品、ゲーム機、ゲームソフト、衣料品などがバカ売れ状態になることが想定されるからだ。

 東京市場はそれを横目で見ながらの展開になるため、大盛り上がりというわけにいかないものの、消費者は家電量販店にいけば、カメラを買い換えたくなったりするのに違いない。

 株式投資もこんな年末商戦を睨んで銘柄を選ぶと、次のような銘柄がクローズアップされる。

 まずはiPhoneXの購入拡大は必至と見てよいため、ヘッドセットに強いフォスター電機 <6794> だ。AIスピーカーへの対応も怠りないため、株価は高値圏ながら目先下げても回復力は強いと見る。

 年末になると特に買いたいものはないのに、つい行きたくなるのがドンキホーテホールディングス <7532> 。行くとクリスマス用の商品が並んでいるので、それを見るだけでも楽しくなるからだ。中には実際に購入する人もいるのに違いないので、同社株も期待が持てる。

 長年苦戦が続いたメガネの愛眼 <9854> も、どんどん上がるタイプではないものの、浅い押し目は拾っておきたい銘柄になる。収益が好転中である上に、年末は当然メガネの買い換え需要も多くなるからだ。

 そして年末になると、どうしても足が向いてしまうのが100円ショップ。セリア <2782> [JQ]は増収増益路線を突っ走っているだけに、株もまだ上昇余力ありと見てよい。

 年末商戦から離れた銘柄にも目を向けておくと、短時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」事業の拡大が続くインターネットインフィニティー <6545> [東証M]がある。

 そして、たびたび登場のダイフク <6383> だ。公募増資を実施するとの報道があり、株価が大きく下げるのではと懸念されたが、大したことはなかった。この株については公募をポディティブに見る投資家が多い。こういうことになるため、株は引き続き有望度が高い。

2017年11月24日 記

株探ニュース

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