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【特集】大塚竜太氏【2017年最終コーナー、注目銘柄・注目セクターは】(1) <相場観特集>

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

―2万2000円台の往来どこまで続く、“強気・弱気”どちらで臨む―

 週明け27日の東京株式市場は、朝方はリスク選好ムードで始まったものの、寄り後は日経平均株価の上値の重さが露呈、前場後半から売り優勢の地合いに変わった。欧米株高に牽引される形で上値追い態勢が続く日本株だが、足もとは買い疲れ感も意識される場面。2017年相場も師走が目前でいよいよ大詰めを迎える。確度の高い市場予測で定評のあるマーケット関係者3人に年末相場を占ってもらった。

●「上昇基調不変で年内2万3382円の高値奪回へ」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 日経平均は利益確定売りと押し目買いの動きが交錯、足もとはやや気迷い気味の値動きをみせているが、2万2000円台のもみ合いは基本的に強気に対応してよいと考えている。米国は経済、株価ともに好調で来年からテーパリングが始まる欧州も調整一巡から出直り歩調にある。一部では中国で金融引き締め懸念が台頭するなか、銀行の不良債権問題などをネガティブ論調で伝えるメディアもあるが、このタイミングでにわかに足を引っ張る材料とは思えず、売り方の口上の域を出ていない感じがする。実際、影響は限定的だろう。

 米国では12月の利上げについては既に織り込み完了で、マーケットの視線は来年の利上げペースに移っている。イエレンFRB議長同様にハト派路線であるパウエル次期FRB議長の手腕に期待したいところだが、基本的にマーケットに対してはフレンドリーとみてよい。さしあたって28日の米上院での承認公聴会における氏のコメントに注目が集まりそうだ。

 日経平均の下値リスクは小さく、ここから調整はあっても2万2000円台を割り込まないで切り返す公算が大きい。上値については11月9日につけた取引時間中の高値2万3382円を師走相場で奪回する年末高のシナリオを描いている。特別国会の会期が12月9日までで、その前の12月初旬に安倍政権が打ち出す経済対策の具体的な内容が開示される可能性があり、そうなれば全体株価の浮揚につながる。

 物色対象としては、まず米国を中心とした好調な海外景気を背景に半導体設備投資に絡む銘柄に優位性がある。東京エレクトロン <8035> を筆頭に半導体関連セクターは素材メーカーや商社なども含めて幅広く買いを呼び込みそうだ。また、内需株では、やはり三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などメガバンクの動きがカギを握る。相対的に割安感が強く、水準訂正余地は大きい。全体相場のムードメーカーとしてもメガバンクを中軸とした銀行セクターが担う役割は大きい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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