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【特集】富田隆弥の【CHART CLUB】 「日米12月相場、上昇期待の条件」

株式評論家 富田隆弥

NYダウ平均は2万3617ドル、ナスダックが6874ポイントと、先週の米国株式市場はまたまた過去最高値を更新。ブラックフライデー、サイバーマンデーを睨み“サンタラリー”が早くも始まったようである。チャートも11月15日に25日移動平均線まで調整を入れたが、そこからしっかり切り返して強い上昇基調を継続させた。

◆こうなれば日本株も…と期待を抱きたくなる。チャートも25日移動平均線を下値に切り返している。だが、日経平均株価は2万2600円処で伸び悩み、11月9日の上ヒゲ高値2万3382円のまだ下にある。それでもブラックフライデー明けの11月最終週は「株価上昇」というアノマリーがあるので、上昇期待は続く。

◆ところが、祭日前の22日の海外市場で為替(ドル円)が111円35銭と1日で1円近くの円高だ。11月6日の114円73銭からは3円以上の円高で、日足チャートは75日移動平均線(111.61円)と200日移動平均線(111.76円)を割り込む。この為替の流れが少し気掛かりだ。

◆トランプ大統領が北朝鮮を「テロ支援国家」に指定した。ドイツではメルケル首相が連立政権を樹立できず、サウジでは政情不安が表面化。そうした情勢にお構いなくNYダウは高値を更新するが、為替市場は「リスクオフ」に動き出したということか。

◆日経平均は16日安値2万1972円がチャートの下値ポイントで、それを割り込むと調整二段下げ(N波)警戒となる。その前に25日移動平均線(2万2200円処)を割り込むと調整入りの兆しが出るので注視しておく。

◆好業績、低PERとして強気観測が目立つ日本株。年末だけでなく、来年の上値予測まで盛んになってきた。証券関係者だけでなく個人、外国人もマインドが高まる季節だけに、25日移動平均線を維持するのならば12月中の高値更新もあり得るだろう。だが、そうしたマインドが高まるところで基調を崩すと、調整で意外性を発揮しかねない。

◆理由はともかく、相場は流れに従うのが基本。上昇期待の条件として日経平均もNYダウも25日移動平均線の維持をあげておきたい。

(11月23日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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