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7940 ウェーブHD

東証S
670円
前日比
-3
-0.45%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.5 0.35 4.48
時価総額 74.5億円
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決算発表予定日

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ウェーブロックHD Research Memo(1):自動車向けに採用が相次ぐ金属調加飾フィルムの成長に注目


■要約

ウェーブロックホールディングス<7940>は、防虫網や農業用、建設資材用各種シート等のマテリアルソリューション事業と、金属調加飾フィルムを中心としたアドバンストテクノロジー事業を展開する樹脂加工メーカーである。2021年3月に主力事業の1つであったインテリア事業(住宅用壁紙)を主要取引先のサンゲツ<8130>に譲渡し、成長事業への投資を積極化することで成長を目指す方針を明らかにした。なお、東京証券取引所(以下、東証)の市場再編に伴い、2022年4月よりスタンダード市場に移行している。

1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比28.2%減の21,002百万円、営業利益で同56.4%減の649百万円となった。インテリア事業を譲渡したことが主因で、既存事業ベースとの比較では売上高で同4.1%増、営業利益で同8.4%減となった。アドバンストテクノロジー事業は、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム、高透明二層シート)の売上が海外自動車メーカー向けの新規採用もあって好調に推移し増収増益となったが、マテリアルソリューション事業は原材料価格高騰の影響により収益が悪化し減益となった。

2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比16.2%増の24,400百万円、営業利益で同9.2%減の590百万円を見込んでいる。アドバンストテクノロジー事業はデコレーション&ディスプレー分野の成長により増収増益が続くものの、原材料価格高騰の影響を受けるマテリアルソリューション事業で減益が続く見通し。原材料価格の指標となるナフサ価格については、70,000~80,000円/kl(前期は50,200円/kl※1)を前提としている。また、新規事業となる地中熱ビジネス※2の拡大に向けて、2022年4月に建設会社の(株)エイゼンコーポレーションを完全子会社化した。今後、エイゼンコーポレーションを元請会社として地中熱ビジネスの設計から施工までを手掛けるシステムインテグレータとして事業を拡大していく方針で、2023年3月期は同ビジネスで400百万円の売上を見込む。また、金属調加飾フィルムは米国の電気自動車向けで採用が相次いでおり、2023年3月期も好調に推移する見通しだ。なお、2022年5月に持分法適用関連会社である(株)ウェーブロックインテリア(現 クレアネイト(株)、以下WIT)の全株式をサンゲツに譲渡し、投資有価証券売却益約2,528百万円を特別利益として計上する見込みとなっている。

※1 2021年1月~12月の平均値。
※2 独自技術による高効率地中熱交換システム「ヒートクラスター(R)」の設計・施工・販売事業。高効率のため従来工法よりも井戸の掘削本数が少なく済み、設備投資費用を抑制できる点が長所。


3. 中期経営計画
2021年6月に発表した中期3か年計画では、成長事業と位置付けているアドバンストテクノロジー事業や地中熱ビジネスに積極的な投資を行うことで、業績を成長軌道に乗せていく方針を打ち出した。2024年3月期の業績目標としては、売上高24,500百万円、営業利益1,260百万円を掲げている。2年目となる2023年3月期の業績は当初計画(売上高23,100百万円、営業利益940百万円)を利益面で下回る見通しだが、アドバンストテクノロジー事業や地中熱ビジネスについては順調に進んでおり、評価できる。金属調加飾フィルムは米国でのさらなる売上拡大が見込まれるほか、地中熱ビジネスはビニルハウス農園や建物等の空調システムの省エネ化ソリューションとして需要開拓を進めていく。地中熱ビジネスの普及に取り組むことで農業の生産性向上を支援していくほか、アグリソリューション分野とのシナジー効果も期待されることから、今後の展開が注目される。

■Key Points
・M&A戦略により事業基盤の強化と領域拡大を進める樹脂加工メーカー、環境関連ビジネスも展開
・2023年3月期は原材料価格の高騰により減益が続く見込みだが、戦略事業への投資と既存事業の収益体質改善に取り組む
・自動車向け金属調加飾フィルムや農業・建設向け地中熱ビジネスの成長に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ

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