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6845 アズビル

東証P
4,511円
前日比
+11
+0.24%
PTS
4,515.8円
11:07 05/08
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.0 2.85 1.62 2.41
時価総額 6,383億円
比較される銘柄
オムロン, 
富士電機, 
三菱電
決算発表予定日

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日本電技 Research Memo(1):首都圏再開発の次は産業システムが成長ドライバー


■要約

1. 「計装エンジニアリング」技術をベースに空調計装と産業システムの分野で事業展開
日本電技<1723>は「計装エンジニアリング」専業企業である。計装(Instrumentation)とは、ビルや工場において、空調や生産ラインなどの各種設備・機械装置を、計測・監視・制御の手法によって有機的にコントロールすることである。同社は、オフィスビルやホテルなど非居住用建築物を対象に、空調設備を自動制御する空調計装関連事業を展開、自動制御機器大手であるアズビル<6845>の最大手特約店として、また業界の草分け的な存在として、豊富な経験と技術を誇っている。産業システム関連事業では、工場の生産ラインや搬送ラインの設計からシステム開発、施工、ロボットの導入・運用、メンテナンスまでをトータルで手掛け、工場全体の自動化・省エネ化を支援するサービスを提供している。

2. 計装技術とエンジニアリング技術を併せ持つ「計装エンジニアリング」に強み
同社の強みは、計装技術とエンジニアリング技術を併せ持つところにある。空調計装関連事業では、首都圏再開発向け受注が積み上がり、大型の改修案件が増加している。これは、アズビルの新商品を扱うには、取り扱い販売店の中でも同社しか持っていないエンジニアリング技術が必要となるためである。また、産業システム関連事業では「計装エンジニアリング」の強みがより発揮されている。というのも、工場全体の自動化・省エネ化を実現するためには、生産プロセス(生産工程)や搬送ラインにおいて、ロボットなど機器をセットアップし、有機的に繋いで自動制御するシステムが必要で、それには同社の「計装エンジニアリング」技術が最適だからだ。

3. 首都圏再開発の売上が計上され始め、2023年3月期業績は端境期から浮上へ
2022年3月期の業績は、受注高34,016百万円(前期比1.3%減)、売上高31,669百万円(同7.1%減)、営業利益4,074百万円(同11.1%減)となった。減収減益は首都圏の再開発大型案件が増加したことに伴い、完成計上の端境期となったためである。同社は2023年3月期業績見通しについて、受注高32,500百万円(前期比4.5%減)、売上高33,500百万円(同5.8%増)、営業利益4,100百万円(同0.6%増)と見込んでいる。仕掛中の大型案件と施工体制のバランス等も勘案し、受注高は減少を予想しているが、空調計装関連事業で大規模案件などの完工と、産業システム関連事業で設備投資の回復を見込み増収減益予想となった。なお、念願の産業ソリューション事業部を新設したが、新設コストなどにより営業利益予想の水準が低くなっている。

4. 中期経営計画の間は空調計装、その後は産業システムが同社成長をけん引へ
社会構造の変化やデジタル化の加速など経営環境の変化に対し、同社は長期経営指針「ND For The Next 2030」を策定した。このなかで、「既存事業の強化」「拡大戦略の実行」「ND企業文化の成長」を重点成長戦略に中期経営計画を策定し、2024年3月期営業利益45億円を目指している。中期経営計画の期間中、空調計装関連事業の新規工事で首都圏再開発の完成が増え、既設工事では大型改修が続く見込みである。産業システム関連事業では、事業部化をテコに高まる産業システムへのニーズを積極的に取り込んでいく方針だが、収益に本格寄与するにはもう少し時間がかかる見込みである。したがって同社の成長は、中期経営計画中は空調計装関連事業が押し上げ、次期中期経営計画では産業システム関連事業が牽引していくことになると思われる。

■Key Points
・中期経営計画で2024年3月期営業利益45億円を目指す
・産業ソリューション事業部を新設、産業システムを積極展開へ
・当面空調計装の回復、その後は産業システムの成長が収益をけん引

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《ST》

 提供:フィスコ

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