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【特集】エニーカラー上場で脚光、「Vチューバー関連株」に急成長の夢膨らむ <株探トップ特集>

「Vチューバー」への関心が急上昇している。今月初めに新規上場したエニーカラーの人気が波及した格好で、今後テーマ物色が一段と広がる可能性もある。

―バーチャル世界を舞台に市場は急拡大、未上場ベンチャー企業への出資も相次ぐ―

 今月8日に新規上場したVチューバー(バーチャルユーチューバー)グループ運営のANYCOLOR <5032> [東証G]に高い関心が寄せられている。Vチューバー企業初の上場とあって、株式市場だけでなく一般の注目度も高まっている状況だ。同社のIPOが大きな話題を集めたことで投資テーマとしての「Vチューバー」も脚光を浴び、マーケットでは関連銘柄を物色する動きも目立っている。メタバースなどバーチャル世界を舞台にしたビジネスがここ急速に拡大するなか、Vチューバー市場も今後大きく成長することが見込まれ、つれて関連銘柄に注がれる視線も増していくことになりそうだ。

●Vチューバー数は年々増加、活躍の場も多様化へ

 Vチューバーとは、動画共有サイト「ユーチューブ」に動画を投稿する ユーチューバーのうち、主にCG(コンピューターグラフィックス)で作成された架空のキャラクターを用いる人のことを指す。キャラクターの操作にはモーションキャプチャーと呼ばれる現実の人物や物体の動きをデジタル化する技術を活用し、VR機器を使って自分の動きを反映させる。

 アニメなどのキャラクターとは異なり、ライブ配信を視聴している人とリアルタイムにコミュニケーションをとれるのが特徴で、配信者は視聴者からの「投げ銭(ネット上の寄付)」などによって収益を得る。Vチューバーは2016年に活動を始めた「キズナアイ」が草分けとされ、以降その数は年々増加。企業や自治体からのプロモーション起用をはじめ、テレビ出演や歌手活動など活躍の場を多様化させており、グッズ販売やイベントといった関連市場の裾野も広がっている。ユーチューブ以外の配信サービスで同様の活動を行う人も含め、Vライバー(バーチャルライバー)と呼ばれることもある。

●エイベックスやアドウェイズ、直近上場のモイなど

 エイベックス <7860> [東証P]は新会社「バーチャル・エイベックス」を昨年設立し、市場が急拡大途上にあるバーチャルエンターテインメント分野でのビジネス展開を積極化させている。バーチャルアーティストのプロデュースやマネジメントから、関連するライブ・イベントの企画運営やコンテンツ制作までを幅広く手掛けている。

 アフィリエイト広告大手のアドウェイズ <2489> [東証P]は、子会社がVチューバーグループ「774 inc.(ナナシインク)」を運営している。同社はエニーカラーへの出資も行っており、IPOに伴う株式売り出しによって約10億円の投資有価証券売却益が発生。これを受け、5月に今期純利益予想の上方修正と増配を行っている。

 モイ <5031> [東証G]は4月上場の直近IPO銘柄。運営するライブ配信サービス「ツイキャス」上にVチューバー専用プログラムを設けており、ファンクラブの作成やユーチューブとのサービス連携といった機能を備えている。また、芸能事務所向けにタレント管理サービスを提供しており、大手Vチューバー事務所などが利用しているという。

 ソニーグループ <6758> [東証P]子会社のソニー・ミュージックエンタテインメントはVチューバーを発掘・サポートする新プロジェクト「VEE」を昨年立ち上げており、5月に第1弾の加入メンバーが決定したことを発表。日本テレビホールディングス <9404> [東証P]傘下の日本テレビ放送網はVチューバー事業の更なる拡大を目指し、同事業を分社化して新会社「ClaN Entertainment」を4月に設立した。アーティストのファンサイト運営を手掛けるエムアップホールディングス <3661> [東証P]は直近17日、新たなVチューバープロジェクトを開始すると明らかにした。

 このほか関連銘柄としては、Vチューバーの動画再生回数などを掲載するサイト「VTuber ランキング」を運営するユーザーローカル <3984> [東証P]、Vチューバー制作サービス「クリエイトVT」を提供するエヌリンクス <6578> [東証S]、音声データから自然な口パターンを自動生成する音声解析リップシンクミドルウェアがVチューバーに活用された実績を持つCRI・ミドルウェア <3698> [東証G]など。また、UUUM <3990> [東証G]、イード <6038> [東証G]、ユークス <4334> [東証S]、アディッシュ <7093> [東証G]、マツモト <7901> [東証S]などが挙げられる。

●「ホロライブ」運営企業などへの出資動向も要マーク

 Vチューバー業界が比較的若い市場ということもあり、関連企業はベンチャーなど未上場会社であることも多い。こうしたなか、株式市場でのVチューバーに対する関心の高まりとともに、そうした未上場会社に出資している銘柄に関心が向かう可能性もあり、注目しておきたい。エニーカラー上場の際には、同社に出資するアドウェイズやKLab <3656> [東証P]に光が当たった。

 Vチューバーグループ「ホロライブ」を運営するカバー(東京都千代田区)には、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]や博報堂DYホールディングス <2433> [東証P]をはじめ、グリー <3632> [東証P]、IMAGICA GROUP <6879> [東証P]、gumi <3903> [東証P]などが、それぞれ傘下のファンドやグループ会社を通じて出資している。

 バーチャルeスポーツプロジェクト「ぶいすぽっ!」などVチューバー関連グループの運営を手掛けるBrave group(東京都港区)は7日、約13億円の資金調達を行ったことを発表。今回新たに出資した企業として、アカツキ <3932> [東証P]傘下のファンドやクレディセゾン <8253> [東証P]子会社のセゾン・ベンチャーズ、大阪ガス <9532> [東証P]が名を連ねている。

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