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6034 MRT

東証G
800円
前日比
-10
-1.23%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
54.5 0.95 77.29
時価総額 45.7億円
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MRT Research Memo(1):東大発の医療ベンチャー。遠隔診療サービス「ポケットドクター」の立ち上げに全力


■要約

MRT<6034>は、「医療を想い、社会に貢献する。」を企業理念とし、医師と医療機関をインターネットでつなぐ医療情報プラットフォームを医師目線で構築、運営し、医療人材紹介などのWebサービスを提供する。東京大学医学部附属病院の医師の互助組織からスタートした経緯から、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)が主要な営業基盤。地域医療の発展に貢献するために、2015年から名古屋・大阪・福岡に営業所を相次いで開設し、営業エリアを拡大し全国展開を加速させている。M&Aなども活用して既存事業の拡大を図りつつ、アライアンスを活用して新規事業の創出し医療情報プラットフォームの拡充に注力している。

1. 事業内容
主力である非常勤医師紹介サービス「Gaikin」は、外勤診療紹介を目的とした医師と医療機関の自動マッチングサービスであり24時間365日対応する。同社の紹介システムは医師が快適かつ迅速に外勤探しができるようにインターネットを活用しており、創業来培ってきた業務経験・ノウハウによる医師ネットワークの事業基盤があり、医師目線で医師の利便性を重視したサービス体制を整えている。年間医師紹介件数は約11万件であり、競合他社を引き離している。全社売上に占める医療人材サービス(医師のみ)の構成比は約85%(2017年3月期)である。医局の管理業務を支援するグループウェア「ネット医局」の採用数も増加し、305医局(前期比155医局増)で採用され、特に関西エリアの伸びが大きい。

期中のM&Aにより大きく躍進したのはコメディカル(看護師など)の紹介・派遣サービスである。2017年1月に連結子会社化した(株)NOSWEATは、京都を地盤にコメディカルに特化した紹介予定派遣サービスを提供しており、医療機関以外に福祉施設、寺院等とも取引が多い。

2. 業績動向
2017年3月期通期の連結業績は、売上収益が前期比14.9%増の1,154百万円、営業利益が同23.2%減の156百万円、税引前利益が同27.0%減の141百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同28.6%減の88百万円となり、3年連続して2ケタ増収となったが、各利益は減益となった。売上収益の増加の要因としては、第4四半期から連結化した子会社NOSWEATの売上計上及び非常勤医師紹介件数の増加による売上増が大きかった。税引前利益で減益となった理由としては、M&A関連費用及びIFRS(国際財務報告基準)導入費用、「医科歯科.com」Webサイトの構築費用などが大きい。

2017年8月10日に発表された2018年3月期通期の連結業績予想(IFRSベース)では、売上高が前期比31.7%増の1,520百万円、営業利益が同80.9%減の30百万円、税引前利益が同85.9%減の20百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同88.7%減の10百万円と大幅な増収とともに営業減益となる。売上高に関しては、2017年1月から連結化したNOSWEATの売上げが通年で計上されるとともに、益々増加する医師の求人需要を背景に医療人材サービスが順調に拡大することを見込んでいる。また、2017年4月から有償サービスを開始した「遠隔診療ポケットドクター」の立ち上げに力を入れ、売上げを積み増したい考えだ。利益に関しては、将来の成長のための投資フェーズと位置付けており、費用を増加させるため、営業減益を予想する。

3. 成長戦略
医師と患者をつなぐ国内初のスマートフォン・タブレットを用いた遠隔診療・健康相談サービスである「ポケットドクター」は2016年4月の開始以来、順調に参加者(患者及び医師)を増やしている。2017年3月期末の予約相談登録医師数は240名(64診療科目)、登録医療機関数で350院、患者のアプリダウンロード数は1年で5,500件を超えた。サービス開始から約1年が経過し、患者ニーズや医師の使い勝手などの情報が蓄積されてきたため、2017年4月にメインのサービスである「かかりつけ医診療」サービスが刷新され、「遠隔診療ポケットドクター」として有償で医療機関向けに提供されることになった。従来の「ビデオ通話」機能に加え、オンラインでの診療に必要な「診療予約」、「オンライン決済」、「薬・処方箋の配送支援」などの新たな機能が搭載され、利便性が高まった。2018年度の診療報酬・介護報酬改定で遠隔診療の診療報酬が評価される方向であり、現状課題となっている外来診療と遠隔診療との診療報酬格差は是正される見込みだ。同社としては、「遠隔診断ポケットドクター」での実績・エビデンスを早期に積み上げ、この分野のトップランナーとして各界に成果を示していきたい考えだ。

■Key Points
・関東から関西へ、医師からコメディカルへ事業領域を拡大
・2017年3月期は増収減益。M&A関連や新規サービス導入に先行投資
・2018年度には遠隔診療の診療報酬で評価の方向、「ポケットドクター」の立ち上げに全力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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