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【特集】逆風の東京市場、“割安&最高益”株で反転を待つ <株探トップ特集>

アサヒHD <日足> 「株探」多機能チャートより

―海外発“懸念材料”乗り越える好業績株リストアップ―

 週明け21日の東京株式市場は、米トランプ政権の政策運営先行き不透明感や、米韓両軍の合同軍事演習に対する北朝鮮の動向など、複数の懸念材料があるなか売り優勢の推移となり、日経平均株価終値は、前週末比77円28銭安の1万9393円13銭と4日続落した。こうした軟調地合いのなか、反騰相場到来に備えてリード役候補銘柄選びをするうえで拠り所となるのはやはり業績の好調さだろう。そこで今回は、今期経常最高益更新予想のなかから、株価が割安な銘柄を紹介する。

●アルインコ、社会インフラの改修整備や住宅向け建設仮設資材

 足場など建設仮設材大手のアルインコ <5933> が7月20日に発表した18年3月期第1四半期(3月21日-6月20日)の連結決算は、売上高は119億100万円(前年同期比12.8%増)、経常利益7億4600万円(同2.6倍)、最終利益4億4600万円(同97.3%増)と大幅増益を達成した。建設機材では、社会インフラの改修整備や耐震・リフォーム工事などの堅調な需要を背景にした、レンタル会社の意欲的な投資姿勢により、新型足場「アルバトロス」やアルミ作業台などの販売が好調に推移している。さらに、住宅機器では、アルミ製品の販売が、好調な企業収益を背景に設備投資意欲の高まりから機械工具ルートや通販ルート向けを中心に堅調に推移している。

●UACJ、飲料缶や自動車用のアルミ材の需要拡大

 UACJ <5741> が2日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の決算は、売上高1524億9400万円(前年同期比9.9%増)、経常利益78億900万円(同99.7%増)と大幅増益を達成した。アルミニウム圧延品の国内需要は、板類では飲料缶向けではビール需要の減をボトル缶や低アルコール飲料向けが補い前年同期並みに推移した。自動車関連分野では、自動車へのアルミ材の採用が広がり、部材用板材の数量が増加している。押出類では、2大需要分野の、建築分野と自動車分野がともに好調に推移した。また、主力製品の一つである空調用銅管の主要用途である家庭用エアコンおよび業務用パッケージエアコンの国内生産は引続き堅調に推移している。

●THEグローバル社、6期ぶりに過去最高益更新へ

 THEグローバル社 <3271> が4日に発表した18年6月期通期の連結業績予想は、売上高402億2200万円(前期比28.1%増)、経常利益26億6500万円(同82.2%増)と大幅な増収増益を見込み、6期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなっている。今期も都心部の単身・2人向けマンションや、戸建て住宅の販売拡大に注力する。戸建事業では、これまでの価格重視の仕入れから立地条件を重視した仕入れへと転換をはかり、自社施工の強みをいかした定額制規格住宅「HOUSTYLE(ハウスタイル)」など、顧客のニーズにあった住宅を提供する。

●シンデンハイ、NAND中心にメモリ需用旺盛

 液晶や半導体の専門商社のシンデン・ハイテックス <3131> [JQ]が8日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高114億6700万円(前年同期比10.2%増)、経常利益2億8900万円(前年同期は9800万円の赤字)と黒字転換した。半導体分野および電子機器分野が増勢基調にあり、引き続き高採算ビジネスの営業活動に注力した結果、産業用機器向け商品の販売の増加により、利益が大きく改善している。日本国内では、液晶分野において車載用機器向け商品が減少したものの、半導体分野はNANDを中心とするメモリ市況の追い風を受け、委託開発案件ビジネスが計画通り推移した。

●アサヒHD、貴金属の回収量増加と価格上昇が寄与

 アサヒホールディングス <5857> は7月28日、18年3月期上期(4-9月)の連結税引き前利益を54億円から59億円(前年同期比7.3%増)へ上方修正した。なお、売上高予想の580億円(同12.2%増)は据え置いている。貴金属価格が想定を上回って推移していることに加え、貴金属リサイクルの回収量も計画を上回ることが上振れの要因。エレクトロニクス分野では、特に精密洗浄関連および表面処理関連の新規顧客開拓により金の回収量が前年同期比で増加した。また、デンタル分野では金およびパラジウムの回収量が前年同期比で増加した。

●サーラ、昨年7月の経営統合が業績向上に貢献

 LPガス販売、建設工事を柱事業とするサーラコーポレーション <2734> は7月6日に、17年11月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した、売上高予想の2000億円(前期比34.3%増)は据え置いたものの、経常利益を43億5000万円から50億円(同63.5%増)へ上方修正した。従来の2期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗することになる。利益面では、エネルギー&ソリューションズ事業およびエンジニアリング&メンテナンス事業での経費圧縮や、プロパティ事業での新築分譲マンションの販売が順調に推移している。さらに、昨年7月に経営統合した中部ガスとサーラ住宅の業績上積みが収益を押し上げている。

●ケア21、高齢者対象の人材派遣・紹介事業を11月に開始

 関西を地盤とする在宅介護会社で、関東地区を強化中のケア21 <2373> [JQ]の17年10月期通期の連結業績予想は、売上高250億円(前期比10.8%増)、経常利益7億5000万円(同2.7倍)を見込む。施設の新規開設が当初予定どおり進み、稼働率改善に向けた営業施策を展開すると同時に消耗品などの販管費削減にも努めている。さらに、同社は17日、新規事業として60歳以上の高齢者を対象とした人材派遣・紹介事業を11月1日から開始すると発表した。これについて同社では「長寿化とそれにともなう年金支給開始時期の先送りなどにより、高齢者自身も元気なうちは働かなければというマインド・ニーズは高まっている。その一方で、労働力不足が叫ばれながらも、高齢者を受け入れる労働環境整備が追い付いていない状況がある。このような、高齢者本人、社会それぞれの抱える課題を解消するため」としている。

◆主な今期経常最高益更新予想の割安銘柄◆

               経常
銘柄 <コード>         利益  増益率  株価  PER
JESCO <1434> [東証2]   450  64.8    453   9.6
ケア21 <2373> [JQ]     750  2.7倍   3155  10.2
サーラ <2734>         5000  63.5    884  15.7
ピックルス <2925> [東証2]  1451  67.4   1583   9.6
シンデンハイ <3131> [JQ]   748  49.0   3190  10.3

ラクトJ <3139> [東証2]   2020  40.9   3870  13.7
ティーライフ <3172>       632  41.7   1531  13.4
グローバル社 <3271>      2665  82.2    957   7.2
芦森工 <3526>         2300  68.9    297  15.0
タキロンCI <4215>      6500  43.8    624  15.2

日ダイナミク <4783> [JQ]   600  80.2    639  13.7
旭硝子 <5201>        103000  52.5   4180  15.0
UACJ <5741>        30000  51.4    284   8.1
アサヒHD <5857>       11300  6.5倍   2180   9.4
アルインコ <5933>       3900  58.6   1257  11.7

明治機械 <6334>         720  84.6    470  10.4
IDEC <6652>        5800  72.8   1882  13.6
田中商事 <7619>        1630  44.9    722   6.4
LCHD <8938> [JQG]   1500  2.5倍   1298   7.2

※株価は21日終値(単位:100万円、%、円、倍)

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