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2017年08月21日18時30分

【特集】馬渕治好氏【遠ざかる2万円、夏の終わりに待つものは】(1) <相場観特集>

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

―潮目変わった東京市場、ここからの戦略を聞く―

 8月に入り東京株式市場は徐々に下値模索の度合いを強めてきた。週明け21日の日経平均株価は寄り付きこそ高く始まったものの、空売り筋のショートカバーが一巡すると、再び薄商いのなかでじりじりと水準を切り下げる弱い地合いが露呈した。気が付けば2万円の大台は遠くなっている。夏相場終盤で全体はさらに売り優勢の色を強めるのか、それとも動きを一変させ歯車が逆回転を始める時が来るのか。第一線で活躍するマーケット関係者にここからの見通しを聞いた。

●「短期リバウンド接近も中期トレンドは下向きに」

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

 東京株式市場はテクニカル的には目先リバウンドが近そうだが、中期トレンドは既に下向きに変わってしまっている。そのためここからは、戻り売りを前提とする地合いとなりそうだ。トランプ米大統領の政権運営に対する不透明感が漂うなか、日本株も米国株安の流れを引き継ぐ形で下値模索の動きを回避できないだろう。これまでは、夏場に高値をつけにいく展開で、秋口以降に調整局面入りを想定していたが、そのタイミングが前倒しされてしまった感じだ。

 米国株はそもそも割高だったが、ファンダメンタルズを顧みることなく期待先行で買われ過ぎてしまい、その反動が顕在化しているのが今の状況だ。昨年11月以降の米国株上昇相場では行き過ぎたトランプ大統領への期待があったわけだが、その剥落が本格的に始まったとみている。米国株市場で上昇相場の拠り所となっていたのが、9月中にまとまる可能性が高い予算編成(2017年10月-18年9月)。しかし、トランプ大統領が“口約束”した巨額インフラ投資や大幅減税はほとんど反故にされた状況といっても過言ではない。財源として期待されたオバマケアの改廃や国境税の創設などが難しくなった現状では、インフラ投資や減税は実現しても“雀の涙”程度のレベルにとどまるだろう。

 これは、米株安と為替市場のドル安の流れに反映され、東京市場でも少なからずその影響を受ける。日本企業の業績は良好で割高感もないが、需給面から海外マネーのリスク許容度低下に伴う売りが上値を抑える。日経平均は戻りに転じても6月20日の年初来高値(終値ベース2万230円)を視界に置くような強い上昇波は期待しづらい。日銀のETF買いの支えを考慮しても日経平均は下方圧力を意識せざるを得ない展開となり、今年の年末は1万8500円前後の着地を予想している。

 そのなか、物色対象として相対的に有利なのは、引き続き安川電機 <6506> やキーエンス <6861> などの設備投資関連。また、ディフェンシブセクターである、ハウス食品グループ本社 <2810> 、神戸物産 <3038> 、トリドールホールディングス <3397> 、コロワイド <7616> などの食品・外食産業に注目している。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(まぶち・はるよし)
1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程終了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は多数。最新の書籍は「勝率9割の投資セオリーは存在するか」(東洋経済新報社)。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。

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