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【特集】逆風相場を圧倒する“順張り&逆張り”二刀流、超買い場「20銘柄」 <株探トップ特集>

ステラケミ <日足> 「株探」多機能チャートより
ブロメディア <日足> 「株探」多機能チャートより

―“上昇波継続銘柄”と“売られすぎ銘柄”、地合い悪を利益につなげる王者の戦略―

 18日の東京株式市場は再び下値模索の展開を余儀なくされ、8月14日に北朝鮮を巡る地政学リスクで日経平均株価は急落したが、その時につけた安値1万9486円を寄り付きで下回った。日経平均は5月のゴールデンウィーク中に一気に水準を切り上げた経緯があるが、その時の上昇前の水準まで下押したことで、投資家のセンチメントの悪化が懸念される。中小型株は頑強な動きをみせるものも多いとはいえ、銘柄によっては追い証(追加保証金の差し入れ)を嫌った投げ売りのリスクが浮上しており、目先的には要警戒ゾーンに入ったともいえる。

●米国を発信地とする下げに警戒感も

 今日(18日)の下げについては、北朝鮮リスクではなく、米国発のトランプ大統領の政権運営に対する不透明感が引き金になっていることに、先行き慎重な見方を示す市場関係者も少なくない。スペイン・バルセロナのテロ事件が地政学リスクに対する懸念を増幅させているが、それは売りの本流ではない。「トランプ発言、米国株急落、ドル売り、日本株安」の一連の流れのなかに見えるものは、“米国発”の下落圧力が今の東京市場に覆いかぶさっているという現実だ。

 市場では「前週に外国人投資家が先物を絡め大きく日本株を売り越しており、これを日銀のETF買いで受け止める格好となっている。本来ならばこうした局面で素直に下げさせて個人投資家に仕切り直しのチャンスを提供するほうが、相場のためには良い」(国内中堅証券マーケットアナリスト)という声もある。日銀は8月8日、9日、10日、そして3連休を挟んで14日と4日連続で733億円のETF買いを発動している。18日も後場寄りに日銀は買い出動したが、その後に日経平均は崩れ足となった。現在、我々の目に映っている相場の風景よりも、実際はもっと激しい風雨に晒されているという見方もできる。

●波乱相場の赤札銘柄にはそれだけの理由がある

 凪相場に別れを告げた株式市場、ここでとるべき選択肢は2つある。全体指数とは離れ、あえて森より木で勝負する個別株戦略をとることが一つ。「木を見て森を見ず」とは細部に目が行き過ぎて全体を見通さないことを戒めた諺(ことわざ)だが、相場においては、しばしば全体観にとらわれ過ぎずに個別に活路を求めたほうが吉と出ることが少なくない。

 今の悪地合いにあっても、我が道を突き進む強力な上昇波を形成している銘柄は確かに存在する。「暴落相場の赤札銘柄につけ」という格言があるが、それは今も昔も変わらない相場における不動のセオリーであり、モメンタム相場で勝ちを収める極意でもある。

 別掲の“「超強力上昇波」形成で要注目の10銘柄”は、それを地で行く有望株として注目したい。

●ペッパーはいきなり!急騰局面入り

 オールアバウト <2454> [JQ]は食べ物や趣味などに関する情報サイトを運営、広告売上高が拡大して業績は好調、18年3月期の連結売上高を従来予想の130億円から136億円(前期比31.1%増)へ、営業利益を5億円から6億円(同7.9%増)に上方修正した。毎年9月末時点と3月末時点で300株以上を保有する株主を対象に、食品や電化製品などと交換できるポイントを贈呈するという、株主優待も新設している。

 ペッパーフードサービス <3053> [東証2]は「ペッパーランチ」や「いきなり!ステーキ」を展開、積極出店で業績急拡大途上にある。15日に東証2部から東証1部に指定替え、TOPIX組み入れなどを見込んだ投機資金の流入を誘っている。

●リチウム電池でステラ、TYKは火の如き上昇

 ステラ ケミファ <4109> は電子デバイス分野向けを中心としたフッ素化合物大手で圧倒的な国内シェアを誇る。半導体洗浄剤用フッ化物薬品が好調なほか、リチウムイオン電池向け電解液などが収益に貢献している。18年3月期の連結業績予想について、売上高を304億7200万円から333億円(前期比11.6%増)へ、営業利益を33億5000万円から47億円(同7.5%増)に増額した。

 ジャストシステム <4686> は文書作成ソフトの大手でキーエンス <6861> が筆頭株主。4-6月期は営業利益段階で15億3200万円(前年同期比19.2%増)と2割近い増益を確保している。営業支援クラウドサービス分野での活躍も期待されている。

 TYK <5363> はJFE系の耐火物大手で、製鋼用の耐火物の数量が拡大している。また、耐火レンガ原料の主要生産地である中国が環境規制の強化に伴い供給能力が低下しており、今後も耐火レンガ原料市況が上昇傾向を強めるとの見方も思惑高を呼んでいる。17年4-6月期は営業利益段階で前年同期比67%増、通期の業績上方修正期待が強い。

●バーゲンセール到来、底値を拾うなら今でしょ!

 一方、株式投資で勝利するためには「安いところで買い、高いところで売る」というのが理想のコンセプトには違いない。株価下落を余儀なくされている銘柄は、上昇している銘柄と同様にそれ相応の理由がある。しかし、悪材料は株価のトレンドを下に向けはするが、株価の水準まで支配する力はない。下がり続ければ後講釈で理由がつけられるが、それは本質ではなく、実際は株式需給がほぼすべてを握っているといってよい。

 急落した銘柄に共通しているのは「行き過ぎて売られる」ということで、いったん売りが出尽くせば自然と株価には浮揚力が働く。ファンダメンタルズ面で瑕疵(かし)がない場合は、それだけ戻りは大きくなる。

 別掲の“「底値買いバーゲンチャンス」候補の10銘柄”は、大幅にディスカウントされた魅力ある銘柄をじっくり拾って戻りを待つ、という株式ストラテジーの王道を追求した投資作戦である。

●“スイッチ関連”でブロードメディアに意外性

 うるる <3979> [東証M]は今年3月にマザーズ市場に上場した。官公庁や自治体向けにクラウドソーシングを活用して入札情報サービスを展開、契約者数の増加を背景に業績拡大基調にある。6月1日には5600円の高値まで買われたが、時価はそこから2000円もディスカウントされた水準。上場時の株価水準に接近しており、拾い場を示唆している。

 ブロードメディア <4347> [JQ]はCS放送事業を祖業とするが、クラウドサービスやゲーム関連に経営資源を振り向けており、ソフトバンクグループ <9984> との連携が厚い。7月下旬に株価を急上昇させたが、これは「ニンテンドースイッチ」向けゲームの企画開発を目的に設立されたポケット(東京都中央区)に出資しており、今後のクラウドゲーム分野での展開に思惑が高まったことによる。株価はその後大きく調整したものの、100円近辺の株価は食指が動く水準だ。

●割り切りでライザップ関連のリバウンドも

 NTN <6472> は大手ベアリングメーカーで世界的な設備投資需要の回復が追い風だ。特に自動車向け等速ジョイントに積極的に展開している。建機向けでも高水準の需要を確保し、今期配当は100周年記念に伴い前期実績比5円増配の15円を計画、配当利回りは3.3%弱に達する。

 このほか、堀田丸正 <8105> [東証2]とマルコ <9980> [東証2]はライザップ関連として6月下旬から7月にかけて大人気化した銘柄。その後に株価は沈静化したが、両銘柄とも株価400円を下回ってきたことで、リバウンドを狙うムードが徐々に高まりそうだ。スタート地点が安過ぎることで時価は底値感には乏しいように見えるが、6~7月の上げ足の強さは特筆に値するものであり、割り切りでの投資対象として魅力がある。

◆「超強力上昇波」形成で要注目の10銘柄◆
銘柄 <コード>       上値指向の強さ 株価
nms <2162> [JQ]    ☆☆☆☆    901
オルアバウト <2454> [JQ] ☆☆☆☆☆  1600
夢の街創造 <2484> [JQ]  ☆☆☆☆   1580
あらた <2733>        ☆☆☆☆   5030
ペッパー <3053> [東証2]  ☆☆☆☆☆  6330

タイセイ <3359> [東証M]  ☆☆☆    1049
高度紙 <3891> [JQ]    ☆☆☆    2001
ステラケミ <4109>      ☆☆☆☆☆  4780
ジャスト <4686>       ☆☆☆☆☆  2459
TYK <5363>        ☆☆☆     307

※☆は多いほうが上値指向が強く、モメンタム投資対象としては有利。
 ただし、5日移動平均線を5%超下回った場合はいったん撤退。
※株価は18日終値。

◆「底値買いバーゲンチャンス」候補の10銘柄◆
銘柄 <コード>        底値感    株価
ケアネット <2150> [東証M] ★★★    1468
うるる <3979> [東証M]   ★★★★   3660
大阪ソーダ <4046>      ★★★★    519
ブロメディア <4347> [JQ] ★★★★★   103
NTN <6472>        ★★★★    456

富士電機 <6504>       ★★★★    563
アドヴァン <7463>      ★★★★★   886
兼松エレク <8096>      ★★★    3055
堀田丸正 <8105> [東証2]  ★★★     357
マルコ <9980> [東証2]   ★★★     378

※★は多いほうが底値感が強く、安値を拾う対象としては有力。
※株価は18日終値。

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