【特集】上昇復帰ならここが来る? 今なら割安の“1Q超絶増益”株 <株探トップ特集>
オカアイヨン <日足> 「株探」多機能チャートより
―地政学リスクで割引セール、夏相場後半戦に注目の業績好調銘柄リストアップ―
15日の東京株式市場は、5日ぶりの大幅反発となり日経平均株価は前日比216円21銭高の1万9753円31銭で引けた。北朝鮮問題を巡り、米政府高官から外交による解決策を優先する意思表示が相次ぎ、地政学的リスクが和らいだとの受け止めが広がったのに加え、円相場が1ドル=110円台前半に下落し、輸出関連の主力銘柄を中心に買い戻しの動きが広がった。地合いに好転の兆しがみえるなか、今回は第1四半期(4-6月)営業利益が大幅増益で割安な銘柄に注目した。
●宮地エンジ、工事採算が改善し通期営業利益を大幅上方修正
宮地エンジニアリンググループ <3431> が8日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)連結決算で、営業利益は11億6500万円(前年同期比2.9倍)と大幅増益を達成した。同時に18年3月期通期の営業利益を、従来予想の16億円から26億円(前期比2.8%増)へと大幅上方修正した。橋梁などの手持ち工事が順調に進んでいるうえに、一部大型案件で工事採算が改善したことが業績上方修正につながった。
●タキロンCI、住設建材や農業用資材が順調拡大
タキロンシーアイ <4215> が4日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は、23億5300万円(前年同期比2.9倍)に急拡大し、通期計画の70億円(前期比61.3%増)に対する進捗率は33.6%に達した。住設建材事業では、主力の住宅・非住宅向けポリカーボネート製平板、企業向けサインの販売が伸長した。アグリ事業では、主力の農業用被覆フィルムで価格改定発表に伴う前倒し受注があったことに加え、東アジアを中心とした海外向け販売および農業ハウス事業物件の受注が寄与し、非需要期としては底堅い推移となった。高機能材事業では、昨年から続くアジアを中心とした海外の半導体・液晶製造装置向け工業用プレートが好調に推移している。
●オカダアイヨン、圧砕機・油圧ブレーカーの需要増が寄与
オカダアイヨン <6294> が10日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は、2億8500万円(前年同期比71.7%増)となった。第1四半期の機種別売上高では、主力の圧砕機が再開発・耐震建替需要増により11億8100万円(前年同期比16.6%増)、油圧ブレーカーは新商品Vシリーズの売上寄与やレンタル業者向け販売増加により、2億1500万円(同60.1%増)となった。一方、環境機械は、バイオマス発電向けなどの設備需要が引続き堅調ながら、納期ずれなどにより売上高は2億2800万円(前年同期比48.3%減)と減収になった。
●ティラド、国内の建機向け熱交換器の拡大で営業利益を上方修正
ティラド <7236> が4日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は、16億8500万円(前年同期比2.5倍)の大幅増益となった。これに伴い、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結営業利益を従来予想の24億円から27億円(前年同期比2.1倍)へ上方修正した。排ガス規制の駆け込み需要を背景に国内で建機向け熱交換器が伸びたほか、米国や中国、タイ、ベトナムなどアジアの自動車向けに新規受注した機種の販売が好調だったことが寄与している。円安進行による為替差損益の改善も大幅増益の要因となった。
●伯東、自動車・産業機械向け半導体の販売が好調推移
半導体や電子機器専門商社の伯東 <7433> が7月31日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は、8億8700万円(前年同期比3.5倍)に急拡大した。これを受けて、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の営業利益を従来予想の10億円から14億円(前年同期比2.1倍)へ上方修正した。自動車電動化や工場省人化の進展を背景に、自動車・産業機械向け半導体の販売が好調に推移していることが寄与している。
●神鋼商事、鉄鋼・鉄鋼原料など主要製品の取扱量が増加
神鋼商事 <8075> が7月31日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の営業利益は、19億7200万円(前年同期比2.5倍)と大幅増益となった。これを受けて、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結営業利益を21億円から33億円(前年同期比76.8%増)へそれぞれ増額した。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属のセグメントを中心に、主要製品の取扱量が増加したことに加え、価格上昇の効果も寄与した。また、海外現地法人でも、主要市場である米国、中国、東南アジアの各地域の業績が堅調に推移したことも貢献した。
●加賀電子、電子機器向けEMSビジネスが好調
加賀電子 <8154> が8日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は、20億8800万円(前年同期比2.7倍)と大幅増益を達成した。国内外で電子機器向けEMS(受託製造サービス)ビジネスが好調だったことに加えて、住宅向け関連商材の販売が伸長したことが寄与した。また、国内のアミューズメント業界向けゲーム機器事業や、ゴルフ用品販売事業が堅調に推移し、その他事業の採算が改善したことも貢献している。
●宇徳、コンテナ関連業務が好調に推移
宇徳 <9358> が7月31日に発表した18年3月期の第1四半期(4-6月)連結営業利益は7億2800万円(前年同期比2.5倍)と大幅な伸びを示した。港湾事業で、コンテナ貨物の取扱量は、回復途上にあった前年同期に比べると増加し、これに伴い、空コンテナの取扱い、修理・モニタリングなどのコンテナ関連業務が好調に推移した。また、内航貨物の取扱いも堅調に推移。プラント・物流事業で、ジャパンエキスプレスから、物流・その他関連事業を譲り受けたことから、前年同期に比べると貨物の取扱量が大幅に増加している。
◆主な第1四半期大幅営業増益割安銘柄◆
営業
銘柄 <コード> 増益率 株価 PER
鉄建 <1815> 2.6倍 363 15.3
若築建 <1888> 12倍 179 9.3
中部飼料 <2053> 3.1倍 1789 15.5
トーメンデバ <2737> 2.6倍 2311 12.6
宮地エンジ <3431> 2.9倍 343 14.6
宇部興 <4208> 5.6倍 304 12.9
タキロンCI <4215> 2.9倍 625 15.2
藤倉ゴム <5121> 71.8 708 12.7
日本金属 <5491> 2.5倍 2344 8.3
日本精線 <5659> 2.8倍 843 11.0
オカダアイヨン <6294> 71.7 1500 12.8
ミネベア <6479> 2.4倍 1818 15.2
日ケミコン <6997> 3.8倍 384 15.6
ティラド <7236> 2.5倍 422 14.6
フタバ <7241> 2.4倍 1095 10.3
伯東 <7433> 3.5倍 1555 13.6
愛知時計 <7723> 2.4倍 3985 10.1
東エレク <8035> 2.5倍 1万5180 15.3
神鋼商事 <8075> 2.5倍 3135 7.5
キング <8118> 2.3倍 447 12.1
サンワテク <8137> 18倍 1782 10.7
加賀電子 <8154> 2.7倍 2816 14.0
NECキャピ <8793> 4.1倍 1902 9.1
宇徳 <9358> 2.5倍 499 11.4
※株価は15日終値(単位:%、円、倍)
株探ニュース