貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4063 信越化学工業

東証P
5,989円
前日比
-85
-1.40%
PTS
5,961円
23:49 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
2.81 12.47
時価総額 119,881億円
比較される銘柄
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24年は前半好調&後半波乱と見る~24年の日本株戦略

~株探プレミアム・リポート~
窪田朋一郎・松井証券シニアマーケットアナリストに聞く【最終回】


登場する銘柄
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>、信越化学工業<4063>、トヨタ自動車<7203>、川崎重工業<7012>、ニトリホールディングス<9843>

第1回記事「500万人の追加もある新NISA需給を見逃すな~24年の日本株戦略」を読む

米国の利上げ打ち止め観測の台頭もあり、株式市場は年末ラリーへの期待が高まる。日経平均株価は7月の年初来高値を更新し、1990年3月以来の3万4000円台も視野に入る。

一方、東証グロース市場250指数(旧東証マザーズ指数)も、10月24日を底に反転しつつも、足元の水準は6月につけた年初来高値に20%ほど低い状況にある。

今年、劣勢を強いられた新興グロース株は、米国の金融政策の転換期待を追い風にして浮上できるのか。また円安を追い風に業績を伸ばしてきた企業は、来年は逆風を受けることになるのか。

2024年の日本株戦略の注目点を、前回に続いて松井証券・シニアマーケットアナリスト、窪田朋一郎さんに聞いた。

(聞き手は真弓重孝/株探編集部、福島由恵/ライター)

窪田朋一郎さん窪田朋一郎さんのプロフィール:

投資メディア部長・シニアマーケットアナリスト。松井証券に入社後、ウェブサイトの構築や自己売買担当、顧客対応マーケティング業務などを経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。『株探』や日本経済新聞など多くメディアで分析、解説を紹介している。

好材料は米金利低下、悪材料は米消費減退と日本の引き締め

―― 日経平均は3万4000円台も視野に入り、VIX(変動性指数)指数の水準を見ても、日米ともにリスクオンムードが高まりつつあります。2024年は、どのような相場展開を予想されていますか。

窪田朋一郎さん(以下、窪田): マクロ環境に基づいたメインシナリオとしては、24年スタート時は現在のドル高円安基調を引き継ぎ、株式相場も堅調に推移すると見通しています。

ただし、年の中盤以降は円高基調に向かいやすく、波乱含みになりやすい。いったん、調整を挟むことは警戒して臨みたいところです。

前回の記事でお話したように、来年からは新NISA(少額投資非課税制度)がスタートし、新規の投資資金の流入が日本株の下支え役として働くと見ています。

24年の日本株市場は、こうした需給面では好材料が期待できる中で、ファンダメンタルズ面では好材料と悪材料が混在し、株価の方向感が掴みにくくなる可能性もあります。

■日経平均株価とドル円相場の推移(23年1月~)
【タイトル】

―― 好材料と悪材料のそれぞれの内容は?

窪田 : 好材料としては、FRB(米連邦準備理事会)の金融政策が緩和方向に向かうということです。現地時間23年10月31日~11月1日に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、9月に続いて2会合連続での政策金利が据え置きとなり、利上げ打ち止め観測は高まりつつあります。

さらに11月中旬に発表された米CPI(消費者物価指数)の伸びも鈍化しています。この調子でいけば、同12月12日~13日に開催予定のFOMCでは、現在多くの市場参加者が予想する「利上げ打ち止め宣言」が現実化するシナリオが濃厚になってきます。

仮に、打ち止めが現実となれば、次は利下げ時期が焦点になり、株式市場は利下げを織り込む動きが顕在化していくはずです。需給面では、割高株の見直し買いが期待できます。

一方、悪材料としては、米国の景気後退リスク、そして日本の金融引き締めが市場に嫌気されるリスクが挙げられます。

米国については、現在の米経済を支える個人消費の勢いに息切れが生じることで、景気悪化へと向かう動きが強まらないかを注視していく必要がありそうです。

米景気は、コロナ対策で3回にわたる現金給付の実施が支えとなって、景気が浮揚しました。しかし、2年が経過し、家計の過剰貯蓄状態が解消されてきています。

足元の決算では、耐久消費財などの高額品を扱う企業の業績に、冴えが見られません。個人消費の衰えが、米国景気にボディーブローのように効いてくる可能性があります。

FRBは当初、景気を犠牲にしてでもインフレ退治するという姿勢でしたが、景気をソフトランディング(軟着陸)させる形でインフレが収まる大団円を迎えることはできるのか。次回FOMC開催後の記者会見で、パウエルFRB議長がどのような見方を示すのかが注目されます。

■日米の好材料と悪材料
材料内容
米国利上げ打ち止め宣言、そして利下げ期待の浸透
米国個人消費息切れによる景気後退懸念
国内新NISA開始に伴う買い需要の発生
国内日銀による金融引き締め懸念

24年のドル円相場は、円高圧力と円安圧力の綱引き

―― この米国の利上げ打ち止めで円高方向に転換し、円安恩恵銘柄に向かい風が吹くのかも注目されます。

窪田 : ドル円相場は11月13日に、「1ドル152円」直前にまで迫った後、21日には147円台へと急激な円高方向に巻き戻される場面がありました。

この過程でトヨタ自動車<7203>など輸出企業を中心に株が売られ、20日の日経平均株価は上髭を伸ばした陰線を形成する下落となります。

こうした動きを見ると、急激な円高進行はやはり株式相場にはネガティブ視されやすい材料になっていることが確認できます。

今後、日銀が「イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の撤廃」や「マイナス金利解除」に踏み切り、それが円高圧力を高めることになれば、日本株相場の下押し圧力となることは覚悟しておいた方がいいでしょう。

―― その一方で、来年から始まる新NISAで、海外株投資による日本円の流出で円安圧力がかかりすいとの見方を前回にうかがいました。

窪田 : 投資マネーの流出による円安圧力はあるもの、円高の要因もあり、24年のドル円相場は綱引き状態になりそうです。

セオリーでは、「米国の利上げ打ち止め」と「日本のマイナス金利解除」で両国の金利差が今より縮まると、高金利のドルに向かっていた資金の一部が円に還流する動きからドル安円高になります。

しかし、現時点では、日米の金利差が急激に縮小に向かうシナリオにはなりづらいと見ています。まず、米国は利上げの打ち止めをするにしても、来年前半までは現在の高金利を維持すると見られます。

一方の日本も、早急な利上げに踏み切るとは考えにくい。今後、米国が利下げに転換するのは、米国経済の悪化が意識されている時期で、そうしたマクロ環境で日本は景気を冷やす引き締め政策の強化には動きにくいはずです。

日銀が引き締めに「動かない」または「動けない」ことが円高圧力を緩和して、円高株安のマグニチュードは弱まると見ています。

―― 金融政策以外の材料で押さえておきたいものは?

窪田 : 24年11月に行われる米国の大統領選挙があります。現時点では、現職の民主党のジョー・バイデン大統領が敗北し、共和党のドナルド・トランプ前大統領の復活シナリオも現実味を帯びています。

近年の米国の政治情勢は混沌としており、トランプ前大統領の再選も想定の範囲に入りつつありますが、現職大統領が落選し、前大統領が再登板するというのは過去に例がありません。

トランプ再選が、なんらかのショックをもたらす可能性も想定しておいた方がいいでしょう。

米金利低下の初動は大型グロースが強い

―― 米国の利上げ打ち止めを意識してか、ナスダック総合株価指数は7月19日につけた年初来高値を更新しそうな勢いで、国内でもグロース株の反転が起こり始めました。24年は、グロース優位の展開になるのでしょうか。

窪田 : まず「金利の上昇期はバリュー、下降期はグロース優位」というのがセオリーです。そうした中で、足元は米金利が上昇から下落に向かう端境期に当たります。

こうした局面では、「グロースであれば何でも良し」というわけにはいかないでしょう。

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※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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