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3800 ユニリタ

東証S
1,941円
前日比
+10
+0.52%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.4 1.28 3.50
時価総額 155億円
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決算発表予定日

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ユニリタ Research Memo(1):2017年4月より新経営体制をスタート


■要約

ユニリタ<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けに基幹業務システムの運用管理を行うパッケージソフトウェアの開発、販売、サービスを主力とするほか、データ活用によるソリューション提供にも注力している。2015年4月に連結子会社の(株)ビーコン インフォメーション テクノロジー(以下、ビーコンIT)を吸収合併するとともに、社名を株式会社ビーエスピー(BSP)から株式会社ユニリタに変更した。成長領域であるデータ活用分野に強みを持つビーコンIT との経営資源の統合を図ることで、環境変化に対応するための事業構造変革を進めている。これまで同社の業績を支えてきた既存事業(システム運用の自動化、効率化の推進により顧客の生産性向上に貢献する領域)とビーコンITの事業(データ活用により顧客の企業価値向上に直接貢献する領域)とのシナジー創出により、同社は新たな成長フェーズに入ってきたと言える。

2016年3月期からは3ヶ年の「第2次中期経営計画」を推進。「パッケージソフトウェアメーカーとしての製品開発力並びにサービス力の強化」「お客様の経営課題解決に必要とされるITスキルの強化」「新・企業文化創り」の3つを基本方針に掲げ、経営資源を成長領域に大きくシフト(IT技術の入れ替え)することで、今後の成長に向けた体制づくりに取り組んできた。

ただ、2017年3月期の業績は、売上高が前期比3.6%減の6,941百万円、営業利益が同5.0%減の1,455百万円と減収減益となり、会社予想を下回る着地となった。注力する新規・成長事業分野は需要が大きいものの、市場の立ち上がりが想定よりも緩やかなペースとなっていることや、パートナー政策の強化により自社製品販売が伸びた一方、役務提供型の技術支援サービスが落ち込んだことなどが想定外であった。

中期経営計画の最終年度である2018年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比8.0%増の7,500百万円、営業利益を同11.3%増の1,620百万円と増収増益を見込んでいるが、中期経営計画の目標数値には到達できない見通しとなった。前期業績が想定を下回ったことの要因に加えて、計画に織り込んでいたM&Aを実現できなかったことが計画未達の理由である。

同社は、2017年4月より、事業構造変革を加速するための世代交代として、代表取締役の異動を伴う経営体制の変更を行った。新体制では、「UNIRITA Smart Formation Service」を軸に、顧客のデジタル変革のスムーズな実現に向けて、上流(コンサル)から基盤構築、機能の実装、運用及び分析に至るまで、グループ一体となって支援する方向性を打ち出している。また、業種業界に強みを持つパートナー企業やIT資源の補完関係にあるアライアンス先との協業などにより、自社製品販売にとどまらないソリューション提供力(直接的な課題解決や新しいビジネスの創造など)の強化にも取り組む方針である。

弊社では、第2次中期経営計画の目標数値は達成できない見通しとなったものの、ビーコンITとの経営統合により、「攻め」と「守り」の両面を支援できる体制を確立したところには大きな成果があったと評価している。また、足元では、IoT技術を活用した移動体向けソリューションを提供する子会社((株)ユニ・トランド)が順調に立ち上がってきたことや、パートナー企業及びアライアンス先との協業モデルが具体的な形になってきたことから、同社の目指す方向性には合理性があるものと評価できる。新体制のもと、今後の成長加速に向けて、どのようなソリューションをどのような形で生み出していくのか、その進捗をフォローしていきたい。

■Key Points
・2017年3月期は役務提供型の技術支援サービスの落ち込みなどにより、会社予想を下回る減収減益
・2018年3月期は増収増益を見込むものの、第2次中期経営計画の目標数値は未達となる見通し
・2017年4月より事業構造変革を加速するため新経営体制をスタート
・顧客のデジタル変革の実現をグループ一体となって共創するパートナーを目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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