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3775 ガイアックス

名証N
365円
前日比
-1
-0.27%
PTS対象外銘柄
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.6 1.42 1.37
時価総額 19.5億円
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ガイアックス Research Memo(5):インキュベーション事業の変動が大きい


■ガイアックス<3775>の業績動向

1. 過去の業績
2012年12月期の連結売上高は3,830百万円だったが、その後徐々に伸長し、2015年12月期には2012年12月期比36.1%増の5,214百万円となった。ソーシャルサービス事業が同18.7%増加したほか、受託開発事業が同23.6%伸びたことによる。2015年12月期に新設されたインキュベーション事業も売上高を554百万円計上、収益に貢献した。利益面では、2012年12月期及び2013年12月期に営業損失を計上したが、2014年12月期に営業利益36百万円を計上し、黒字転換した。2015年12月期においては、売上高の拡大や売上原価比率の低下もあり、営業利益は392百万円と急拡大した。

2015年12月期にセグメント変更をおこなっており、ソーシャルサービス事業に含まれていたインキュベーション事業が新設された。このセグメント変更に伴い会計処理も変更になっている。貸借対照表の固定資産内に一括計上されていた投資有価証券のうち、インキュベーション事業に対応するものだけを流動資産内の営業投資有価証券に記載区分を変更。損益計算書では、これまで投資有価証券の売却益を特別利益に計上していたが、セグメント区分の変更により、営業投資有価証券の売却額を売上高に、簿価を売上原価に計上されることになった。

2. 2016年12月期連結決算
2016年12月期連結業績は、売上高が前期比9.9%増の5,728百万円、営業損失が584百万円(前期は392百万円の営業利益)、経常損失が595百万円(同393百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は700百万円(同262百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となった。営業損失に陥ったのは、営業投資有価証券のうち回収可能性が著しく低下した株式について、価値を保守的に評価し将来の損失のリスクを排除するため、評価損を売上原価に計上したことによる。加えて、人材関連費用、広告宣伝費、新規サービスの積極的な開発投資を実行したのに伴い、販管費は増加したのも営業損失を拡大した。特別損益段階では、前期に計上した特別損失の反動減や新株予約権戻入益などがあった。

(1) ソーシャルサービス事業
ソーシャルサービス事業の売上高は前期比6.5%増の2,738百万円、営業利益は同36.6%減の129百万円となった。ソーシャルゲーム向けカスタマーサポートサービスなど既存顧客から継続案件の受注や、対海外売上高の増加で売上高は堅調に推移したが、販管費の増加が営業利益を押し下げた。販管費のうち、増加した費目は人材関連費用や広告・販売促進費、リソース不足を補うための外注費など。特に、広告・販売促進費については、市場シェア拡大を優先したためマーケティング費用が増加した。

(2) 受託開発事業
売上高は前期比20.3%増の2,545百万円、営業利益は同10.7%増の95百万円となった。マイナンバー等の法改正による基幹システムの改修で受注が大幅に増加、また、2016年12月期から連結子会社化したアイ・オーシステムインテグレーション(株)が増収に寄与し、売上高は過去最高を計上した。利益率改善を目的に工数管理に注力したこともあり、営業利益も2ケタ増となった。

(3) インキュベーション事業
売上高は同1.6%減の545百万円、営業損失は同524百万円(前期は315百万円の営業利益)となった。グループ内インキュベーションで成長可能性のある新サービスの売上高が徐々に伸びてきたが、戦略的成長を目指した新規事業投資により費用が先行したフェーズにあったほか、グループ外インキュベーションで、保有株式の一部を売却、また回収可能性が著しく低下した株式について、価値を保守的に評価し将来の損失のリスクを排除するため、評価損を売上原価に計上したことなどから、営業損失に陥った。

(4) 財務状態及びキャッシュ・フローの状況
2016年12月期末における総資産は前期末比で1,369百万円減少し、4,293百万円となった。内訳を見ると、固定資産は増加した一方で、流動資産が前期末比1,536百万円減少した。流動資産が減少した主因は、営業投資有価証券の同1,542百万円の減少。インキュベーション事業にかかるもので、売却と評価損によるもの。営業投資有価証券のうち回収可能性が著しく低下した株式について、価値を保守的に評価し将来の損失のリスクを排除するため、評価損を売上原価に計上したことにより、連結貸借対照表においてこのような会計処理となった。有形固定資産及び無形固定資産が増加したのは、オフィス移転のため。負債は同337百万円増の2,670百万円となった。これは、主に有利子負債が同736百万円増のため。期末の有利子負債残高は1,627百万円に。一方、純資産は最終損失の計上や株価の下落に伴う包括利益の減により同1,707百万円減少し1,623百万円となった。

2016年12月期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比221百万円減少の1,969百万円となった。各キャッシュ・フローの状況について見ると、営業キャッシュ・フローは624百万円の支出となった。棚卸資産の減少額69百万円、減価償却費27百万円、前受金の増加額23百万円などがあったものの、税金等調整前当期純損失585百万円や法人税の支払額120百万円などの減少要因を補いきれなかった。一方、投資キャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入62百万円や敷金及び保証金の回収による収入39百万円があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出110百万円、定期預金の預入による支出144百万円、敷金及び保証金の差入による支出95百万円などにより333百万円の支出となった。財務キャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出458百万円があったが、長期借入れによる収入910百万円、社債の発行による収入198百万円などで741百万円の収入となった。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)

《TN》

 提供:フィスコ

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