信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3622 ネットイヤーグループ

東証G
554円
前日比
-4
-0.72%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.9 1.43 1.08
時価総額 38.8億円

銘柄ニュース

戻る
 

ネットイヤー Research Memo(6):マーケティングのテクノロジー注力、大型案件に対応可能なラインナップ強化


■今後の見通し

(2)今後の経営戦略について

デジタルマーケティングが企業戦略において重要性を増すなかで、競合企業の台頭により受注競争も激化している。こうしたなかで、ネットイヤーグループ<3622>は成長を目指すうえで、主力の受託開発事業においてサービスポートフォリオの再構築に取り組んでいく方針だ。マーケティング戦略やコミュニケーションプラン、カスタマージャーニーを描けるSI企業として、特にマーケティングに必要なCMS※1やDMP※2、MA※3、eコマースを中心としたテクノロジーに注力していく。

※1 CMS(Content Management System)…Webコンテンツを構成する画像やテキスト、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築したり編集したりするソフトウェア。広義には、デジタルコンテンツの管理を行うシステムの総称。
※2 DMP(Data Management Platform)…インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォーム。
※3 MA(Marketing Automation)…マーケティングの各プロセスにおけるアクションを自動化するための仕組みやプラットフォーム。顧客や見込み顧客に対して、どんなアクションをとったかを記録し、「最適なコンテンツを、最適なタイミングで、最適な方法で届ける」ことを目的に利用される。

また、他社との差別化戦略として、システム開発に当たっては業務要件をベースとする従来のSI企業と異なり、「カスタマーエクスペリエンス要件」をベースに「売上を拡大するシステム」を開発していく。Webサイトを訪問するカスタマー目線に立った開発を行っていくというものだ。これは同社がUX、戦略、クリエイティブ、テクノロジー、データといったそれぞれの専門家が協働して働くユニークな文化があるからこそ実現できることでもある。

今後の事業計画としては、2016年度下期に事業の再構築を実施し、2017年度から2018年度までの2年間で持続的な成長に向けた事業構造に転換していく方針となっている。具体的な施策として、2016年度下期はネットイヤークラフトの統合及び製販一体の組織体制に変更したほか、職務・単価の再定義を実施する。複雑化していた職務定義を簡素化し、市場の状況に見合った単価見直しを案件ごとに行っていくことで、適正な利潤を得ることが狙いだ。

2017年度以降は主に3つの施策を展開していく。第1に、生産性を向上するため、稼働率を高める取り組みを進めていくほか、高スキル人材の獲得によって1人当たり受注単価を引き上げていく。第2に、「UX、戦略、クリエイティブ、テクノロジー、データ」といった5つの専門領域を融合した高付加価値案件を手掛け、業界内での競争力を高めていく。第3に、テクノロジービジネスで利益率の高い事業構造への転換を図っていく。このためテクノロジーグループを新設し、CMSやMA、DMP等を使ったマーケティングSIを提供できる体制を整えていく。

また、サービスラインナップもフルカスタマイズの大型案件対応に加えて、多様な顧客ニーズに対応するためサービスメニューを拡充していく。デジタルマーケティング市場そのものは拡大しているものの、その領域が多岐に広がっており、顧客企業も何処から手を付けてよいかわからない状況となっているのが実情のためだ。同社では、顧客企業がデジタルマーケティングに取り組みやすいよう、領域ごとにサービスラインナップを細分化して導入支援を行っていく。具体的には、戦略系サービスとして「オムニチャネル戦略」「デジタルイノベーション戦略」など、テクノロジー系サービスとして、DMP構築やMA導入など、カスタマーエクスペリエンスデザインとして、UXアクセラレーターやカスタマージャーニーマップなどを提供していく。

こうした受託開発事業の事業構造転換を進めていくことで、2017年度以降、業績を成長軌道に乗せていく考えだ。また、ストック型ビジネスである自社開発プロダクトについても更に強化を進めていく。子会社のトライバルメディアハウスでは今期中にソーシャルメディア関連での新サービスを投入する予定となっているほか、rakumoに関してもサービス機能の強化を継続的に進め、導入社数や1契約当たりの単価上昇に注力していく。また、11月にはLINEとSalesforceを連携させたコールセンターサポートサービスを開始する。

2015年9月より投入した店舗向けアプリ「ぽぷろう」についても、機能の拡充を進めながら導入店舗数を拡大していく計画だ。2016年9月にはショッピングモールや商店街など複数の店舗が1つのアプリを共用できるマルチテナントプランをリリースしたほか、作成した電子POPの印刷機能も無料で追加した。導入店舗では集客アップや商品の売上増効果が確認されており、今後の成長期待は大きい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均