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3392 デリカフHD

東証S
577円
前日比
-8
-1.37%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.5 1.12 1.73
時価総額 94.5億円
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大光
決算発表予定日

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デリカフーズ Research Memo(2):業務用の野菜卸しとカット野菜で業界最大手


 

■事業概要

1. 事業内容
デリカフーズ<3392>の事業は、契約農家や市場等から仕入れた野菜を顧客の要望に合わせて加工し配送するカット野菜事業と、仕入れた野菜をそのまま配送するホール野菜事業、その他事業に分けられる。その他事業には日配品(卵、豆腐、冷凍食品等)の販売や業務委託※のほか、子会社のデザイナーフーズ(株)が外食企業や量販店等に行っている食で健康を目指すコンサルティング業務や、農産物の受託分析サービスが含まれる。

※業務委託:同社が現在物流拠点を有していない北海道、東北の一部エリア、中国・四国地域等において協力企業に配送を委託しており、その部分にかかる売上高のこと。


また、同社は持株会社制を取っており、主要拠点となる東京、名古屋、大阪に子会社を展開しているほか、デザイナーフーズ、(株)メディカル青果物研究所※、2015年7月から新たに事業を開始した物流会社のエフエスロジスティックス(株)と合わせて6 社の子会社で構成されており、2017年4月現在で国内14拠点、研究所1拠点体制となっている。

※メディカル青果物研究所は現在、実質休眠状態となっているが、2018年6月にデザイナーフーズの受託分析サービス部門を分離移管し、同事業を行う予定となっている。


2. 部門別、業種別売上高
2017年3月期の部門別売上構成比は、ホール野菜が50.4%、カット野菜が37.4%、その他が12.2%となっており、ここ数年はカット野菜の占める比率が上昇傾向にある(2013年3月期は32.3%)。人材不足に悩む外食企業において、調理が簡単で時間も短縮できるカット野菜の需要が増加していることが背景にある。また、業態別売上構成比では、ファミリーレストランが58.1%と最も高く、次いでファストフード11.9%、パブ・居酒屋10.2%と外食産業向けが全体の84.3%を占めている。全国展開している主要な大手外食チェーンとはほとんど取引実績を持っている。残りの15.7%は食品メーカーや、弁当・総菜事業者向けを中心とした中食産業向けとなる。配送先は全国で約10,000店舗あり、青果物専業の流通企業としては業界で最大規模となる。

3. 同社の強み
同社の強みは、業務用野菜の卸しや、カット野菜の製造で国内最大手ということだけでなく、外食チェーンなど顧客企業が繁盛するためのコンサルティング業務(メニュー提案)も同時に行っていることが挙げられる。同社は10年以上にわたって、野菜の機能性を研究しており、特に、日本中から取り寄せた野菜に関する栄養価などの分析データベースでは国内最大規模のデータを蓄積している。この分析データに基づいて、健康増進につながるメニュー提案をできることが同業他社にはない強みとなっている。

また、卸売事業者として、国内外で開拓してきた多くの契約産地(仕入高の60%超)から安定した仕入を行うことができる調達力と、高品質で安全、確実に商品を顧客のもとに配送する物流網を全国に構築(委託業者を含む)していることも同社の強みとなっている。業界では初となるスーパーコールドチェーン※1を実現した東京第二FSセンターを稼働(2013年7月)させたほか、食品安全マネジメントシステムの国際標準規格となるISO22000や、さらにその上位規格となるFSSC22000※2の認証も取得するなど、食の安心・安全を確保するうえでの取り組みでは業界で最も先行しており、顧客からの高い評価につながっている。

※1 スーパーコールドチェーン: 野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1~4℃の低温度で管理するシステム。野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2 倍に延長することが可能となった。
※2「FSSC22000」:「ISO22000」に食品安全対策(フード・テロ対策、原材料やアレルギー物質の管理方法など)や、「食品安全に関連する要員の監視」「サービスに関する仕様」などを追加したもの。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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