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3179 シュッピン

東証P
1,150円
前日比
-5
-0.43%
PTS
1,150.1円
14:11 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.6 3.23 2.87 6.59
時価総額 267億円
比較される銘柄
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ワットマン
決算発表予定日

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シュッピン Research Memo(3):販売チャネル別構成比や中古品比率、中古カメラ買取額など、各指標は順調に進捗


■シュッピン<3179>の業績の動向

2. 主要KPIの動向
(1) チャネル別・新品・中古別売上高の動向
販売チャネルのうち、2019年3月期第2四半期のEC売上高は、10,264百万円(前年同期比15.6%増)となった。主力のカメラ、時計両事業で順調に販売が伸びたことが寄与した。全社売上高に占めるEC売上高の比率は62.7%で、前年同期の61.5%から上昇した。

EC売上高のうち、越境ECは2019年3月期第2四半期に160百万円となった。越境ECは前年下期からのスタートで、米国ECモールのeBayに出店し、北米向けに販売している。現在はカメラのみの取扱いとなっている。2018年9月時点では月商30百万円を超えており、順調に拡大してきている。

新品・中古品の別では、2019年3月期第2四半期決算では中古品比率が前期通期に比べて上昇した。第1四半期が46.4%、第2四半期(7月-9月期)が48.2%でいずれも1年前よりも高くなっている。この背景は、カメラ事業で買い控えにより新品の売上が伸びず、中古品でそれを補うことに注力したことがある。一般的には中古品の方が新品よりも利益率が高いが、2019年3月期第2四半期決算では、上記のような事情から意図して中古品を拡大したため通常よりも利益率が低下したとみられる。

インバウンド需要を表す免税売上高は、2019年3月期第2四半期は1,747百万円(前年同期比35.4%増)と大幅に伸びた。同社は収益予想の中ではインバウンド売上について1億円~1.5億円/月と控え目に想定しているが2017年3月期第2四半期を底として戻りつつある状況だ。商品別では時計が過半を占めている。

(2) 中古カメラ買取額の状況
中古カメラの買取は順調な拡大が続いており、2019年3月期第2四半期は2,462百万円(前年同期比26.8%増)となった。同社自身が物流スペース拡張を実施していたところに、新品カメラで買い控えが起きたこともあり、中古カメラの積極的買取に取り組んだ結果、買取額が大きく伸長した。買取ルートでは、同社が進めるEC買取が着実に構成比を上げ、第2四半期(7月-9月期)は60.2%に達した


カメラ事業の伸び悩みを時計事業の大幅増収でカバー
3. 事業セグメント別動向
(1) カメラ事業
カメラ事業の2019年3月期第2四半期は、売上高11,114百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益855百万円(同4.1%増)と増収増益となった。営業利益率は7.7%で前年同期の8.1%から低下した。一眼レフカメラ市場を二分してきたニコンとキヤノンが2018年秋にミラーレス一眼の新型機種を発売することを第2四半期中に発表したため、そこから買い控えが起き、カメラ新品の販売が減速した。両社とも新型機においてレンズマウントを変更してきたためカメラ本体のみならずレンズ資産にも影響が出る懸念が生じ、同社の在庫を回す必要があったことや、中古カメラ市場でのトップシェア維持のニーズもあり、中古カメラの販売増に注力した。結果的に、中古カメラの販売量は目的を達成した。しかし、新品カメラの減速を埋めきれず増収率は1ケタにとどまったほか、利益率もセールの強化などの影響で低下した。

(2) 時計事業
時計事業の今第2四半期は、売上高4,785百万円(前年同期比25.3%増)、営業利益250百万円(同9.5%増)と増収増益となった。営業利益率は5.2%で、前年同期の6.0%から低下した。同社は時計の在庫について量的拡充と戦略的ラインアップの構築に注力してきたがそれが奏功して売上高の拡大につながった。店頭ではインバウンド売上高も好調だった(インバウンド売上の約4分の3を時計が占める)。2018年7月からは中古品すべての商品詳細ページに、商品の立体感や動きを伝える動画を掲載、またYouTubeにも動画を掲載したことで、消費者が商品の質感などを正確に把握できるようになり、EC売上高の拡大につながった。利益面では、シェア拡大や新規顧客の取り込み強化、ECの強化等の目的でセールを強化した影響で利益率が低下し、増益率が一ケタにとどまった。利益率は低下したものの、前述のように売上高が前年同期比25%を超える増収となったことで、所期の目的は果たしたと評価できよう。

(3) 筆記具事業
筆記具事業の今第2四半期は、売上高236百万円(前年同期比16.0%減)、営業利益1百万円(同94.5%減)と減収減益となった。売上高はECサイトの機能強化やメーカーとのコラボ企画の実施、保証の強化などの施策を行ったが、客数・客単価の回復には至らなかった。また、中古品の減少も響いた。利益面では売上減に加えて2018年9月に店舗リニューアルを行ったために一時的な費用が発生し、大幅な減益となった。

(4) 自転車事業
自転車事業の今第2四半期は、売上高225百万円(前年同期比16.1%増)、営業損失5百万円(前年同期は0.7百万円の損失)と増収ながら営業損失が拡大した。店舗売上高は横ばいにとどまったがEC売上高はECサイトの強化のほか「Yahoo!店」の出店効果もあって順調に拡大した。内容的には利幅が大きい、中古の高額完成車の販売台数が伸び悩んだ。利益面では販売強化のための先行費用を賄いきれず、営業損失が拡大した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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