ケンコーマヨ Research Memo(2):静岡富士山工場の品質が評価され外食産業への新規採用が相次ぐ
■会社概要
(1)事業内容
ケンコーマヨネーズ<2915>は主に業務用のサラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などを製造販売する食品メーカーで、子会社では日配品の総菜類の製造販売及び店舗事業などを行っている。
2016年3月期の商材別売上高構成比(連結)は、サラダ・総菜類が全体の45.5%と最も高く、タマゴ加工品が27.0%、マヨネーズ・ドレッシング類が25.5%と続いている。ここ数年の売上推移を見ると、サラダ・総菜類とタマゴ加工品が右肩上がりに増加し、マヨネーズ・ドレッシング類が横這い圏での推移となっている。2016年3月期にはタマゴ加工品が初めてマヨネーズ・ドレッシング類の売上高を上回った。この理由には、CVS向けを中心とした中食市場の拡大により、弁当やパン、サンドイッチ向けにタマゴ加工品の需要が拡大していることが挙げられる。また生産面では、2014年3月期より静岡富士山工場が稼働を開始し、能力増強が進んだことや、同工場での品質の高さが評価され、回転寿司をはじめとした外食企業への新規採用も相次いだことなども売上げ増の要因となっている。
分野(顧客業界)別売上高構成比(連結)で見ると、外食向けが26.0%、CVS向けが25.7%、量販店向けが20.4%と3分野で全体の7割を超えている。ここ数年の構成比の傾向を見ると、CVS向けや量販店向けが上昇傾向となっている。単身世帯の増加による「個食化」、核家族化や女性の社会進出などを背景とした家庭内調理の「簡便化」を背景に、中食市場が拡大してきたことが背景にあると考えられる。
同社の業界における市場シェアを見ると、マヨネーズ・ドレッシング類ではここ数年15%前後で安定して推移し、業界2位の位置をキープしている。業務用にほぼ特化しているため一般消費者にはなじみが薄いものの、業務用分野ではトップメーカーのキユーピーと2社で競い合っており、多くの大手外食企業やホテルチェーンに納入実績がある。
一方、ロングライフサラダにおいては、業界のパイオニアでもある同社が37%を超えるシェアを持ち、業界トップの地位を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ