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2809 キユーピー

東証P
2,755.0円
前日比
-14.0
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PTS
2,755.1円
13:20 03/19
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
27.7 1.36 1.81 0.32
時価総額 3,898億円
比較される銘柄
味の素, 
明治HD, 
ハウス食G
決算発表予定日

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明治、森永、キユーピー、グリコ…成長“食品株”その戦略 <株探トップ特集>


―健康志向追い風、需要増加に乗り好業績際立つ―

 株式市場では、通常ディフェンシブな業種に分類される食品メーカーだが、17年3月期第1四半期(4-6月)の決算発表や、それに伴う通期業績見通しを検証してみると、高い変化率の利益拡大予想や、業績上方修正を公表する銘柄が際立った。主要食品メーカーの今後の戦略と業績見通しを探った。

 最近の食品メーカーの利益成長を支える主要な背景の一つに、“消費者の健康志向のさらなる高まり”がある。からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含み、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つのを助け、お腹の調子を整えるのに役立つなど、特定の保健効果が科学的に証明されているのが特定保健用食品(通称:トクホ)。さらに、高齢化や不規則な生活により、1日に必要な栄養成分を摂れない場合など、栄養成分の補給を主な目的として摂取する人に対して、その栄養成分の機能表示をしている食品「栄養機能食品」に加え、15年4月からは、健康にどのような効果があるかを表示しやすくする「機能性表示食品」制度がスタートしていることなどが、需要増加の追い風となっている。

●明治HD、1Qプロバイオティクスヨーグルト売上高20%増

 健康志向関連のなかでも、ここ数年のヨーグルト市場の拡大には目を見張るものがある。11年度には約3000億円だったヨーグルトの市場は、15年度には約3800億円へと急拡大し、20年度までには4000億円台に乗せることが見込まれている。これには、機能性ヨーグルトの急成長が貢献している。明治ホールディングス <2269> のプロバイオティクス(人体に良い影響を与える微生物=善玉菌)ヨーグルト部門の17年3月期第1四半期の売上高は、283億円(前年同期比20.4%増)と高い伸びをみせており、通期予想の1080億円(前期比1.2%増)は上方修正の可能性が高まっている。プロバイオティクスヨーグルトの需要が好調に推移している背景について同社では「消費者の健康志向のさらなる高まりに加え、“R-1”、“LG21”、“PA-3”の3種類の品ぞろえが、それぞれ赤、青、黄色のパッケージで分かりやすく提示され好評を得ているようだ」(IR広報部)としている。

●「ウイダーinゼリー」需要層拡大、森永製菓は早くも通期業績を上方修正

 一方、森永製菓 <2201> は10日、17年3月期の連結業績見通しについて、売上高1856億円を1889億円(前期比3.9%増)へ、営業利益115億円を143億円(同24.8%増)へ、純利益82億円を100億円(同23.6%増)へそれぞれ上方修正した。第1四半期決算で、主力の食料品製造事業で売上高が増収であったことに加え、売上原価率の改善や販売費の効果的な投入などが大幅増益となった要因としている。具体的には、食料品事業で、米国向け「ハイチュウ」など海外売り上げが伸長したことに加え、機能性を訴求した広告効果により健康部門で主力の「ウイダーinゼリー」の第1四半期の売上高が前年同期比28%増と好調に推移したことが牽引した。同社では「エネルギーやビタミンを片手で手軽に摂取できるゼリー飲料という機能性が改めて評価されているようだ。とくに、従来に比べてより若い層や女性など需要層が広がっていることが寄与している」(コーポレートコミュニケーション部)としている。

●ヒアルロン酸好調キユーピーは海外展開積極化

 キユーピー <2809> は6月24日、16年11月期通期の連結業績見通しについて、売上高を5750億円から5600億円(前期比1.9%増)へ下方修正した一方で、営業利益は280億円から290億円(同10.0%増)へ、純利益は150億円から159億円(同6.3%減)へ上方修正した。上期に、付加価値の高い商品の販売が好調だったことや、不採算商品の見直しなどのコスト改善が進んだことが寄与している。また、化粧品メーカー向けにヒアルロン酸の販売が好調なほか、マヨネーズの原料の鶏卵価格が安値で推移していることも増益要因となっている。さらに、中国やアジアでのマヨネーズ・ドレッシングの展開など海外事業の積極化も評価される。

●江崎グリコは「GABA」「LIBERA」など健康機能性チョコレート育成が貢献

 江崎グリコ <2206> の17年3月期第1四半期(4-6月)連結営業利益は、前年同期比36.6%増の78億4000万円と好調だった。ポッキーの海外販売などが好調なほか、冷菓売り上げも拡大基調にある。特に、中国やタイなど海外市場での成長は高く評価されている。国内の菓子事業では、強みであるチョコレートが成長をけん引している。同社の国内チョコレート売上高の約半分を構成する「ポッキー」に加えて、「GABA」、「LIBERA」など健康機能性を切り口とした新たなブランドの育成が進んでいることも貢献している。


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